著者
利根川 樹美子
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.101-123, 2010-06-30 (Released:2017-05-04)

本稿では,戦後日本の大学図書館における司書職法制化運動の経緯,および関係団体と行政機関の交渉の経過と内容を示し,運動の意義と限界,提案の実現を妨げた要因,焦点となった大学図書館司書の資格について考察した。その結果,司書職確立の観点に立つならば,当時の大学図書館において必要であった取り組みとして,少なくとも次の四つの事項が挙げられることを明らかにした。(1)大学図書館全体を対象とし,大学図書館司書の資格の内容,認定方法等を具体的に検討して,根本からの解決を図ること,(2)そのために,関係者の考え方において,大学設置主体別の立場から大学図書館全体の立場へ転換を図ること,(3)司書職法制化の提案における根本的な問題について検討し,解決を図ること,(4)以上の事項について取り組むために,団体組織による継続した運動を形成することである。
著者
利根川 樹美子
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.101-123, 2010-06-30

本稿では,戦後日本の大学図書館における司書職法制化運動の経緯,および関係団体と行政機関の交渉の経過と内容を示し,運動の意義と限界,提案の実現を妨げた要因,焦点となった大学図書館司書の資格について考察した。その結果,司書職確立の観点に立つならば,当時の大学図書館において必要であった取り組みとして,少なくとも次の四つの事項が挙げられることを明らかにした。(1)大学図書館全体を対象とし,大学図書館司書の資格の内容,認定方法等を具体的に検討して,根本からの解決を図ること,(2)そのために,関係者の考え方において,大学設置主体別の立場から大学図書館全体の立場へ転換を図ること,(3)司書職法制化の提案における根本的な問題について検討し,解決を図ること,(4)以上の事項について取り組むために,団体組織による継続した運動を形成することである。