著者
前島 洋平 佐藤 靖史
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

慢性腎臓病(CKD)は末期腎不全・心血管疾患の危険因子である。本研究では、内在性血管新生制御因子Vasohibin-1のCKDの病態における機能的解析を行った。Vasohibin-1欠損マウスにおいて野生型マウスに比して、糖尿病性腎症、尿細管間質病変、急性腎障害が増悪した。CKD患者にて、腎組織でのVasohibin-1発現は半月体形成、間質炎症細胞浸潤と相関し、血・尿中Vasohibin-1濃度高値群では、将来的な腎機能低下進展のリスクが増加した。内因性Vasohibin-1のCKD病態における腎保護的効果並びに新規バイオマーカーとしての可能性が示唆された。