著者
山内 俊幸 前川 哲也 瀬戸 章文 權 純博 奥山 喜久夫
出版者
日本エアロゾル学会
雑誌
エアロゾル研究 (ISSN:09122834)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.108-113, 2008-06-20 (Released:2008-06-25)
参考文献数
4

We evaluate the size distribution of fine water droplets produced by electrostatic atomization using a differential mobility analyzer (DMA) and a condensation nucleus counter (CNC) . Broad size distribution with the peak of mobility diameter of around 15-20 nm is observed for the neutralized polydisperse water droplets. The number of charge is analyzed using a tandem DMA system. The water droplets are highly charged depending on the particle size. The number of maximum electric charges is 14, which is well below the Rayleigh limit.
著者
前川 哲也
出版者
お茶の水女子大学附属中学校
雑誌
研究紀要
巻号頁・発行日
vol.31, pp.37-56, 2001

月や金星の満ち欠け、星座の日周・年周運動など複雑にみえる天体の動きに関して,モデルを使って10分以内に説明するという課題を生徒に与えた。生徒は,発表形式や機材は自由だが,聞き手が内容を理解できるように発表する事が要求される。その成果は発表終了直後に聞き手がテーマに関する問題を解けるかどうかで試される。この実践において,モデルや資料などにわかりやすい発表のための様々な生徒による工夫がほどこされた。その中でパソコンやビデオなどよりも,手作りの模型や「人間」を天体とみたてたモデルなど,単純なものを多く選択した事実は注目に値する。また,テーマによって発表方法による理解度の差が顕著に現れるもの,現れないものがあり,両者の違いはテーマそのものの難易度とは直接関係ないことが確認された。
著者
前川 哲也
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
研究紀要
巻号頁・発行日
vol.34, pp.47-64, 2005

気象教育に限らず,科学教育,あるいは教育そのものが,その本質的な重要性にもかかわらず,他の重要なこと(強者)におされ,重要性に見合った教育活動やそれを支えるものが十分ではないという「弱者」の立場に甘んじている。しかし,大多数の国民にとって,気象について系統だった学習を最後に行えるのは中学校の理科の単元「天気とその変化」である。したがって,この単元で学習内容をどこまで扱うかは国民の気象に関する知識・理解(国民の常識)のレベルをそのまま規定するものであり,気象教育の要になる部分である。そこで現行の小・中学校の学習指導要領から気象教育に関する部分を教科書の章立てと並べて,小学校では「なぜ」に関する部分が欠けている点を,中学校では学習内容が日常の気象現象にストレートに生かせそうで案外生かせない点を指摘する。さらに昭和22年,26年に試案として発表され,33年,43年,52年,平成元年,10年に改訂された学習指導要領から気象教育に関する学習内容を項目別に具体的に整理し,それぞれの学習指導要領に基づく教科書で気象単元に割り当てられているページ数が減ってきていることを明らかにすることで,気象教育が「弱者」へ転落してきたかを示す。このような現状の中で,今後の気象教育のあり方として「弱者の連携」を提言する。気象教育と同様に,重要であるにもかかわらず,実際には軽視されている「弱者」は多く存在する。それらとの連携の形を提案し,気象教育だけでなく連携相手のメリットも示す。われわれは気象教育の生き残りをかけて,「弱者」同士の連携により,それぞれの領域の重要性を,子どもをはじめとする国民にしっかりと知らしめ,理解者を増やしていく,すなわち「強者」を目指していくべきではないだろうか。