著者
前田 佳予子 手嶋 登志子 中村 育子 田中 弥生
出版者
公益社団法人 日本栄養士会
雑誌
日本栄養士会雑誌 (ISSN:00136492)
巻号頁・発行日
vol.53, no.7, pp.648-656, 2010 (Released:2011-12-27)
参考文献数
6
被引用文献数
1

介護保険における居宅療養患者の訪問栄養食事指導の実施率を上げるためには、管理栄養士の在宅に対しての意識向上および、利用者のケアプランを作成するケアマネジャーや主治医に、訪問栄養食事指導の重要性や役割を普及啓発することを目標とする必要がある。 今回、われわれは訪問栄養食事指導を導入することにより効果があると多職種に理解されてもなぜ、実施率が低いのか、その原因を明らかにするために調査研究を行った。 調査方法としては、無作為に抽出した700 人にインターネットによるリサーチを行い、回答期間を平成20 年4月24 日11 時から5 月8 日19 時までとし、623 人(89 . 0%)から有効回答を得た。 食事や栄養の課題がケアプランに挙がると答えたケアマネジャーは554 人で、ケアプランに挙がってくる課題は1)嚥下障害、2)治療食の調理が困難、3)食事摂取量の低下による褥瘡、低栄養、4)PEG 等の経管栄養管理であり、これらの課題は訪問栄養食事指導を導入することによる経済効果の見られる項目とほぼ同じであった。
著者
中村 育子 前田 佳予子 田中 弥生 本川 佳子 水島 美保 前田 玲
出版者
一般社団法人 日本在宅医療連合学会
雑誌
日本在宅医療連合学会誌 (ISSN:24354007)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.19-27, 2023 (Released:2023-08-29)
参考文献数
18

本研究は人生の最終段階において,管理栄養士が多職種と連携して食支援を行うことは,できるだけ自分の口から食事を摂取し,最期まで食べる喜びを感じることができる等,QOL 向上に対する管理栄養士の在宅訪問栄養食事指導の介入効果と,その中で,疾患の違いによる介入効果についても検討する. 在宅訪問栄養食事指導における食支援は,管理栄養士が介護者の困りごとの相談に応じて,介護者の調理技術の向上や簡単に食事を用意できることを可能にし,介護者の食事作りの負担を軽減させ,在宅療養者の最後に食べた物は好物であったことに貢献していた.