著者
秋本 眞喜雄 池田 光里 中野 慎也 ボーマン サムエル 早津 勇一 畑 三恵子 前田 憲寿
出版者
自動制御連合講演会
雑誌
自動制御連合講演会講演論文集 第57回自動制御連合講演会
巻号頁・発行日
pp.1115-1118, 2014 (Released:2016-03-02)

皮膚色の違いを定量的に評価する方法はCIELAB空間の色差式が利用されているが,色差式から予測される色差と視感で感じられる色差とは必ずしも一致しない.この問題を解決するために,CIEはCIEDE2000色差式を推奨しているが,十分に活用されていない.我々は皮膚色の評価に新しい色差式を利用した場合の有用性について検討した.CIEDE2000色差式はCIELAB色差式に色相,明度,彩度に対応する係数を付加して色差を算出する方法である.CIE2000色差式は視感的な評価と比較的よく対応することが示唆され,皮膚色評価の標準化に寄与できると考える.
著者
前田 憲寿
出版者
日本医用画像工学会
雑誌
Medical Imaging Technology (ISSN:0288450X)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.3-10, 2012 (Released:2012-02-22)
参考文献数
22
被引用文献数
2

肌の見た目や肌表面の状態は,肉眼やマイクロスコープで見れば明らかである.しかし,より詳細に皮膚の状態を観察するためには,何らかの方法で皮膚の特徴を抽出して解析する技術が不可欠である.本稿では,美容皮膚科や機能性化粧品分野において有用な分光・偏光イメージング技術を用いてシミと微小循環血流の状態を画像表示して解析する方法について紹介する.紫外線または青緑色光を利用して皮膚を撮影し,さらに独自の成分解析法を適用することによって,メラニンやヘモグロビンなどの光吸収成分の分布を画像表示することができる.たとえば,紫外線ストロボを用いると,シミの状態を解析することができ,皮膚に青緑色光を入射させることで毛細血管網の状態を解析することが可能である.微小血管観察装置を用いて頭皮を観察したところ,毛髪の多い部位には微小循環(毛細血管)が観察されたが,毛髪が少ない部位には微小循環はほとんど観察されなかった.