- 著者
-
前田 真理子
- 出版者
- 文化学園大学
- 雑誌
- 文化女子大学紀要. 服装学・造形学研究 (ISSN:13461869)
- 巻号頁・発行日
- vol.37, pp.35-45, 2006-01
ストリートファッションは,一部の「族」のファッションのことを指していると記されている資料1)が見られるが,現在では大衆現象として捉えられることが多いと考える。本稿では,ファッション史や情報誌などより,「ストリートファッションは自然発生的である」,「ストリートファッションは意図的に生むものである」といった2つの定義を提示した。そこで,東京のファッションタウンにおける定点観測による動向調査,ショップのアンケート調査,若者対象の意識調査といった3方向の視点から実態調査を行い,定義の適合性を検証し,現在のストリートファッションを成立させている要因と現状の関係について考察することを目的とした。3方向の実態調査を行った結果,2つの定義が両者とも見られる結果であったが,ファッションリーダーや,受信側が主役になり,ファッションビジネスや雑誌との連携により,ファッションが生み出されているという,やや自然発生的な要素の強い,「意図的である」との融合であると判断した。