著者
副島 隆
出版者
Japanese Society for Oral Health
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.342-353, 1994-07-30 (Released:2010-10-27)
参考文献数
43
被引用文献数
2

う蝕予防のためのフッ化物の応用に際して使用すべき適正量の検討には, あらかじめ通常の生活の中でのフッ素摂取量を把握しておくことは意義がある。本研究では, 福岡市で日常的に入手できる14食品類の65食品目を測定の対象とした。食品試料中のフッ素含有量は, 前処理に乾式灰化法と微量拡散法, 測定法をイオン電極法でそれぞれ8回の繰り返し測定を行った。その結果, 測定値の範囲は, 穀類0.19~6.04μg/g, 種実類0.13μg/g, 芋類0.01~0.02μg/g, 豆類0.42~41.75μg/g, 果実類n. d. ~0.02μg/g, 野菜類n. d. ~0.94μg/g, 茸類0.01~0.75μg/g, 海草類0.06~0.58μg/g, 飲料類0.17~2.99μg/g, 魚介類n. d. ~2.87μg/g, 肉類0.04~0.21μg/g, 卵類n. d., 乳類0.35~1.52μg/gであった。これらの結果を基にして, 平成3年度の国民栄養調査にある食品群別摂取量を利用して成人1日あたりの食品からのフッ素摂取量を推定したところ, 全国平均は1.44mgおよび北九州ブロックは1.42mgであった。