著者
劉 剛
出版者
沖縄大学人文学部
雑誌
沖縄大学人文学部紀要 = Journal of the Faculty of Humanities and Social Sciences (ISSN:13458523)
巻号頁・発行日
no.26, pp.121-140, 2023-03-17

琉球王国では、中国福建から渡来人によって豆腐乳が伝えられると、転身して王府の保護食品となり、王宮では珍味に格上げされたという。つまり、在地化されて文化的変容と受容により再現した。それは、薫り高いチーズのような、そしてチーズよりもコクのある、素晴らしきキューブ状の「東洋のチーズ」といい、栄養食品として王府に認定された秘蔵物である。その後、琉球王国の滅亡とともに、その運命は波乱に満ち、戦争によってほとんど消滅してしまった。しかし、戦争によって王室の保護もなくなり、民衆の食卓に降りてくるようになった。今、普及と革新の過程で、新たな問題や出会いに直面している、と筆者は提言したい。