著者
劉 馨遥 石橋 整司 齋藤 暖生 藤原 章雄
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.132, 2021

<p>江戸時代に制作された視覚的な情報である浮世絵に江戸の緑地環境がどのようにあつかわれているか分析した。今回用いた資料は歌川広重の晩年の作品である「名所江戸百景」である。江戸を中心とする地域の風景を描いた119点の絵の構図について「遠景」、「中景」、「近景」に分け、それぞれに描かれている樹木について特徴をまとめた。119点のうちまったく樹木が描かれていないものは9点のみであり110点には樹木が描かれていた。構図としては遠景、中景、近景のすべてに樹木が描かれたものが44点と最も多く遠景と中景に描かれたものが26点、遠景と近景に描かれたものが14点、遠景のみに描かれたものが12点で基本的には遠景に樹木を配する構図が中心であった。描かれた樹木の種類が推定できた作品を見るとマツが遠景、中景、近景のいずれでも最も多くみられ、特に遠景では87点にマツが描かれていた。次いで、サクラ、スギ、モミジ、ヤナギと推定される樹木が多かったが、サクラやヤナギが中景、近景に描かれることが多い一方で、スギやモミジは遠景から近景まで満遍なく見られるなど樹種による特徴が見られた。</p>