- 著者
-
田山 智規
鈴木 啓一
美川 智
粟田 崇
上西 博英
林 武司
前田 高輝
加地 拓己
上本 吉伸
鹿野 裕志
柴田 知也
児嶋 千尋
西田 朗
- 出版者
- 日本養豚学会
- 雑誌
- 日本養豚学会誌 (ISSN:0913882X)
- 巻号頁・発行日
- vol.43, no.4, pp.187-194, 2006-12-26 (Released:2007-08-10)
- 参考文献数
- 15
- 被引用文献数
-
1
1
抗病性に関与する遺伝子を特定するために,ランドレース種について,免疫形質と慢性疾病病変に関する品種内QTL解析を行った。用いた集団は,慢性疾病病変を選抜形質としたランドレース種系統造成の選抜第2世代までの育成豚と調査豚519頭(基礎世代44頭,第一世代205頭,第二世代310頭)である。7週齢時と体重105kg時で採血し,補体別経路活性,貪食能,顆粒球・リンパ球比,総白血球数,羊赤血球に対する抗体産生能などの免疫形質を測定した(抗体産生能は105kg時のみ)。また,各世代の調査豚267頭についてブタ萎縮性鼻炎(AR)と肺の病変を測定し,スコア化した。常染色体18本に合計107個のDNAマイクロサテライトマーカーを配置し,それらの多型判定は,353頭(基礎世代の雌の一部25頭と第1世代204頭,第2世代調査豚124頭)について行った。解析にはIdentical-by-decent(IBD)行列を利用した分散成分分析法を用いた。まず,IBD行列をLOKIプログラムにて推定した。分散成分分析法はSOLARプログラムを用いて行った。解析の結果,総白血球数と貪食能,そして肺の病変に関する有意なQTLが検出された。