著者
林 孝 長嶺 慶隆 西田 朗
出版者
Japanese Society of Animal Science
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.439-446, 1985
被引用文献数
5

放牧牛群の社会関係を調査するために,斜め空中写真法による行動の記録と解析を試みた.放牧地の近くに立つ塔の上から放牧牛の行動を確察しながら,市販の35mm一眼レフカメラを斜め下方向に向けて,3分間隔で連続撮影した.地上座標が既知の牧柵などと共に放牧牛の写真をとれば,放牧牛などの地上座標を写真上の座標から推定することができる.この斜め空中写真法により20頭および8頭からなる2群の各個体の3分間ごとの位置を求め,これを用いて個体間距離および移動距離を計算した.放牧牛の位置する頻度は牧区の角と水飲み場が高い傾向にあった.育成牛と成雌牛を混合した群では,育成牛と成雌牛間の個体間距離は育成牛間および成雌牛間のそれよりも有意に大きいことが多く,これらは牧区内に無作為に2点を配置してシミュレートした値と区別することは困難であった.つまり育成牛と成雌牛は互いに他と関連せずに行動していたといえる.群内で特定の2個体が他よりも有意に小さな個体間距離をもつならば,この2個体は互に親密であると考えられ,この親密な関係を図示することによって牛群内の社会構造を単純化して表現することができる.個体間距離の比較によって,育成牛群内に網目構造あるいは直線構造の内部構造をもつサブグループが見出され,さらに成雌群内には直線構造のサブグループが見出された。しかし他のどの個体とも親密な関係をもたないはなれ牛も少頭数認められた
著者
中川 好正 橋爪 進 西田 朗 木村 博
出版者
公益社団法人日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学年次論文報告集 (ISSN:13404741)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.507-512, 1996-06-17

普通、早強および低熱(高ビーライト系)の3種類のボルトランドセメントを使用したコンクリートについて、初期材齢での強度発現性状を把握する自的で、凝結時間と材齢48時閥までの圧縮強度を、10、20および30℃の各環境温度において時間単位で測定した。その結果、レセメントのクリンカ鉱物中のエーライト組成量と始発時間からの積算温度を考慮すれば、ボルトランドセメントの種類、環境温度および謙ンクリートの調合に関わらず、始発時間を測定することによって初期材齢での圧縮強度が予測できることを明らかにした。
著者
田山 智規 鈴木 啓一 美川 智 粟田 崇 上西 博英 林 武司 前田 高輝 加地 拓己 上本 吉伸 鹿野 裕志 柴田 知也 児嶋 千尋 西田 朗
出版者
日本養豚学会
雑誌
日本養豚学会誌 (ISSN:0913882X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.187-194, 2006-12-26 (Released:2007-08-10)
参考文献数
15
被引用文献数
1 1

抗病性に関与する遺伝子を特定するために,ランドレース種について,免疫形質と慢性疾病病変に関する品種内QTL解析を行った。用いた集団は,慢性疾病病変を選抜形質としたランドレース種系統造成の選抜第2世代までの育成豚と調査豚519頭(基礎世代44頭,第一世代205頭,第二世代310頭)である。7週齢時と体重105kg時で採血し,補体別経路活性,貪食能,顆粒球・リンパ球比,総白血球数,羊赤血球に対する抗体産生能などの免疫形質を測定した(抗体産生能は105kg時のみ)。また,各世代の調査豚267頭についてブタ萎縮性鼻炎(AR)と肺の病変を測定し,スコア化した。常染色体18本に合計107個のDNAマイクロサテライトマーカーを配置し,それらの多型判定は,353頭(基礎世代の雌の一部25頭と第1世代204頭,第2世代調査豚124頭)について行った。解析にはIdentical-by-decent(IBD)行列を利用した分散成分分析法を用いた。まず,IBD行列をLOKIプログラムにて推定した。分散成分分析法はSOLARプログラムを用いて行った。解析の結果,総白血球数と貪食能,そして肺の病変に関する有意なQTLが検出された。