著者
加納 亮介 真野 洋介
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.667-672, 2012-10-25 (Released:2012-10-25)
参考文献数
9
被引用文献数
4 2

本研究では、東京23区で開催されている手づくり市の中で「あかぎマルシェ」「品川てづくり市」を対象に、出店している作り手と周辺地域の活動に着目し、地域において手づくり市を開催することの価値を明らかにする。結論として、個人主催の手づくり市に出店している作り手が周辺地域に広がる活動は、主に文化芸術施設での活動が多く、これらは主催者と文化芸術施設オーナー間の情報共有などのコミュニケーションや、オーナー側の自発的な行為など、その背景は多様であることが二つの対象市からわかった。これらの活動は、既存のまちづくり関連団体や行政では出来ないようなミクロレベルのものであった。以上から個人主催の手づくり市は周辺地域の既存のまちづくり活動を補完し新たなまちを形成する上で価値があると考えられる。
著者
加納 亮介 真野 洋介
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.220-227, 2020-10-25 (Released:2020-10-25)
参考文献数
9

本研究は、コンパクト・プラス・ネットワークの都市構造に基づいた持続可能な居住地を目指し、間口狭小地のスポンジ化が進む旧市街から住宅地開発が進む新市街までを含む富山県高岡市の中学校区を対象に、若年世代の居住動向と敷地活用の特徴を分析することで今後の居住誘導のあり方について考察を行った。その結果、中学校区という地縁を単位として学区外から流入する居住者と学区内で循環する居住者がおり、その割合は市街地の形成過程によって異なることが明らかになった。特に、学区内で循環する居住者が多い旧市街では、親世帯と同居や近居を求め、若年世代が主体的に複数敷地を活用することで、実家の居住継承や住み替えを行う住み継ぎの動きが見られた。こうした低未利用な複数敷地を活用することは土地利用方法や暮らし方の選択肢を広げ、若年世代が流入しやすく、次の世代への居住地の継承を促す役割を担っていることが明らかになった。高齢化や空洞化が進む今後、このような居住動向を活かしながら学区外から流入する居住者をどのように誘導するかが求められる。
著者
加納 亮介 真野 洋介
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.26, no.62, pp.308-313, 2020-02-20 (Released:2020-02-20)
参考文献数
7

This study clarified the planning process of updating the frame about attracting residence function to historical residential area in Takaoka city, Toyama. Contents of the frame conclude various themes by updating it every year through discussing future vision about specific stock and space. The results are as follows: 1)Environment improvement about stock and space has a role as creating new improvement about other theme or street, stock. 2)The frame like this makes it possible to execute efficiently small environmental improvement witch the residents desire for quality of life.