著者
根来 誠司 武尾 正弘 加藤 太一郎 竹原 一起 藤井 翼
出版者
兵庫県立大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2016-04-01

国内外でポリマーの再資源化やモノマーのバイオ生産が重要視されている。Arthrobacter sp. KI72株はナイロンオリゴマー分解酵素NylA/NylB/NylCにより、6-アミノヘキサン酸(Ahx)オリゴマーをAhxまで分解する。Ahxはアミノトランスフェラーゼ(NylD)によりアジピン酸セミアルデヒドに変換され、その後、デヒドロゲナーゼ(NylE)によりアジピン酸へと代謝されること、ⅱ)NylDについては2種、NylEについては20種の類似遺伝子が認められること、ⅲ)NylD1,NylE1を共役させた反応系により、Ahxは約90%の変換率でアジピン酸へ変換されることを明らかにした。
著者
加藤 太一郎
出版者
兵庫県立大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

「光る虫」といえば「ホタル」とすぐに連想できるほど、我々にとってホタルは身近で、かつ心が惹きつけられる存在である。このようにホタルルシフェラーゼといえば発光反応を触媒する酵素だと思われがちであるが、実は立体選択的なチオエステル化という、もう一つの触媒活性があることを発見した。例えば構造中に1つの不斉点を有するケトプロフェンを基質とした場合、ヘイケボタル由来ルシフェラーゼはR体を優先的にチオエステル体へと変換する。本研究では、本酵素がどのように基質の不斉を識別しているのかを明らかにするために、ホタルルシフェラーゼを用いたチオエステル化反応の詳細な機構解析やMDシミュレーション、および結晶構造解析を試み、その理由の一端を明らかにすることができた。