- 著者
-
加藤 愛美
福留 奈美
- 出版者
- 日本調理科学会
- 雑誌
- 日本調理科学会大会研究発表要旨集
- 巻号頁・発行日
- vol.32, 2021
<p>【目的】明治時代以降、西洋文化のひとつとして伝来したイタリア料理は、現在、外食だけでなく中食、家庭内食への浸透が進む。本研究は、外来の食文化の受容と普及のプロセスをとらえる研究の一環として、イタリア料理のパスタに着目し、日本の現代食生活において身近に利用されるパスタの種類と調理法の実態をとらえることを目的とする。</p><p>【方法】首都圏の小売店の販売状況を調査し、取り扱い上位のパスタの種類を特定した。また、家庭内食への影響や実態を反映する食情報のひとつとして、NHK『きょうの料理』アーカイブスに収録されたイタリア料理の中のパスタ料理と、レシピサービス『クックパッド』でパスタの種類別に検索した人気上位50品のパスタ料理を抽出し、使用食材とソース分類について集計・分析した。</p><p>【結果】大型スーパーから都市型の小規模スーパー、輸入食品を多く取り扱う酒類量販店等計20店舗の内、11店舗以上で販売されるパスタは12種類あった(2021年5月現在)。NHK『きょうの料理』のイタリア料理レシピ336品中にパスタ料理は95品あり1/3弱を占めた。『クックパッド』のパスタ料理レシピ(パスタ16種類、計800品)において、ニンニク、トマトが4割前後のレシピで使用されているのに対し、和風食材・調味料の利用はきのこ類と醤油の利用が1割前後あるものの、ネギ、海苔、大葉、明太子・たらこ等は3%前後の使用率だった。ソース分類については、マカロニ等のショートパスタでマヨネーズによるサラダの利用が、カッペリーニ等細めのロングパスタでトマトのソースが、フェットチーネやラザニア等いくつかの種類でトマトとクリームの両方を使うソースの利用が特徴的にみられた。</p>