- 著者
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金城 尚美
加藤 清方
- 出版者
- 琉球大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2005
本研究では、「危ない表現」の使用意識を調べることを目的として、国内および海外で調査を実施した。調査は、相手を罵倒したりののしったりするような11の場面、例えば、列に割り込んだ人に対してどう言って反応するか等を4コマ漫画で視覚的に明示し、台詞を挿入する自由記述形式で行った。また各場面で発話者が男性または女性の場合の視点を設定した。さらに大人と子ども、上司と部下、夫婦等、上下等の人間関係の設定にも変化を持たせた。調査票は、日本語、タイ語、中国語(中国本土・台湾)、韓国語6種類を作成し、日本(東京・沖縄等)、韓国、(釜山・ソウル・光州)、タイ(バンコク)、台湾(台北・台南)、中国(大連)の各国でデータを収集した。その結果、日本語と比べて韓国語、中国語、タイ語のデータは、異なる社会・文化的背景により、卑下する対象となる用語の異なりの分布や使用環境及び用語の豊富さなどが顕著であることなどが明らかとなった。今後、データのサンプル数を増やし、日本語と各国語をそれぞれの社会・文化的背景とのつながりを詳細に記述し、あぶない用語の社会言語学的かつ語用論的分析をさらに深化させることが必要である。