著者
加藤 雅久 若木 和雄 中村 亜弥子 志岐 祐一
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住宅総合研究財団研究論文集 (ISSN:18802702)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.381-392, 2007 (Released:2018-01-31)

国家総動員体制となった昭和13年から,戦後の本格的な住宅建設体制が整う24年までの約12年間は,軍や工場,輸出などに資源が振り向けられ,住宅をはじめとした一般需要は,代用品から新興建設材料に至る新興建材で補おうとしていた。本研究は,これら代用建材の供給とその品質確保の変遷を,建材行政の視点から検証し,戦後復興期を支えた新興建設材料の歴史的経緯を解明した。戦後の新建材につながる新興建材の品質確保と普及活動,およびそれらを担い行政と建材産業とを結びつける仕組みは,戦中期にその骨格が形成され,戦後は戦中期の体制を継承しつつ復興をすすめていったことがわかった。