- 著者
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勝木 渥
- 出版者
- 日本物理教育学会
- 雑誌
- 物理教育 (ISSN:03856992)
- 巻号頁・発行日
- vol.38, no.4, pp.289-290, 1989-11-30 (Released:2017-02-10)
物理量を対数の引数として取ることは,必ずしも論理的におかしくはない。そのとき形式的に,log[物理量]=log[数値]+log[単位]と書ける。log[物理量]が物理量Aの逆数の積分として∫dA/A=log Aのような形で出てくるとき,定積分の上限値・下限値としては物理量Aそのものが取られるべきである。物理量Aの対数log Aは無次元の量と考えられるべきであるが,その指数を取ったとき(無次元量ではなく)次元を持った物理量Aになるという点で,単純な無次元量とは異なる。この点に留意しておきさえすれば,物理量の対数を取ることは何ら論理的破綻を生じない。物理学に現れる物理量の関数はすべて,その引数として物理量そのものを取るべきである。