著者
咲間 彩香 斉藤 久子 勝村 聖子 熊谷 章子 岡 広子 本村 あゆみ 岩瀬 博太郎
出版者
一般社団法人 日本災害医学会
雑誌
日本災害医学会雑誌 (ISSN:21894035)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.1-10, 2021

<p>東日本大震災では多くの歯科医師が身元確認作業に従事したが、体制の不備による数々の問題が指摘され、歯科所見による身元判明例は総身元確認数の7.6%にとどまった。日本は多くの災害を経験し、災害時の身元確認体制について度々改善が求められてきたにもかかわらず、本震災でも身元確認作業における混乱を避けられなかった。本研究ではその要因を追求し、身元確認体制の在り方を考究することを目的に、過去の災害と東日本大震災における歯科身元確認の問題点を比較、再検証した。その結果、記録方法の全国的な不統一や、歯科所見採取に必要な装置や備品の不足、不明確な命令系統など、いずれの災害においても共通した課題が繰り返し挙げられていたことが明らかになった。死因究明先進国と比較すると日本は平時から身元不明遺体が多く、大規模災害時の歯科身元判明率も格段に低い。過去の反省を活かし、身元不明遺体数の減少に向けた対策を早急に講じるべきである。</p>
著者
勝村 聖子
出版者
鶴見大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究は、種々の犯罪資料における迅速かつ信頼性の高いDNA検査法の開発を目的に施行された。複数男性が関与する強姦事件を想定して作製した男女混合試料から、精子を単独回収した。そこから得られたmitochondrial DNA(mtDNA)について検討した結果、特定男性の関与の有無を判断できた。皮膚に付着した唾液などに対しても有効であることが示され、犯罪捜査における鑑定法となることが期待される。