- 著者
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歳森 敦
北原 夕里歌
植松 貞夫
- 出版者
- 日本図書館情報学会
- 雑誌
- 日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
- 巻号頁・発行日
- vol.46, no.1, pp.33-45, 2000-03-30 (Released:2017-05-04)
市区立図書館中央館を対象とした標本調査により, ブックディテクションシステム(BDS)導入の動向と, 設置館・非設置館の蔵書紛失率を明らかにするとともに, それらの結果をもとにBDSの設置効果を試算した。BDSの設置状況として, 1割弱の館にBDSが設置されていること, 最近数年間の新築時BDS設置率は4割強であること, 一部のコーナーに限定する形で導入する部分設置館が2/3以上であることを明らかにした。年間蔵書紛失率の平均は1.33%となった。BDSを全館を対象に設置した場合には蔵書紛失率が有意に低く, 不正持ち出しの防止に一定の効果があると判断できる。最後に, BDSを設置した場合に必要な費用とBDSを設置しない場合に必要な費用の差としてBDSの設置効果を定義し, 一定の条件を与えて設置効果の試算をおこない, 設置効果を得られる館は一部であること, 部分設置の効果が限定的なことを示した。