著者
多喜 純也 早瀬 睦 宮腰 明典 北原 孝宏 服部 悦子 中村 威彦 波多野 武人
出版者
特定非営利活動法人 日本脳神経血管内治療学会
雑誌
脳血管内治療 (ISSN:24239119)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.14-23, 2016 (Released:2016-10-17)
参考文献数
26

【目的】Penumbra 5MAX ACE を用いて“a direct aspiration first pass technique(ADAPT)”を行った初期経験に基づき,有用性を報告する.【方法】2014 年10 月から2015 年3 月の間に血栓回収療法を行った連続8 症例のうち,5MAX ACE を吸引カテーテルあるいは中間径カテーテルとして用いADAPT を行った7 例を後方視的に解析した.【結果】平均年齢76.9 歳.閉塞部位は中大脳動脈M1 遠位3 例,M2 2 例,脳底動脈2 例.治療前平均National Institutes of Health Stroke Scale(NIHSS)16.0,治療開始までの平均時間は315 分.5 例(M1 遠位2 例,M2 1 例,BA 2 例)で5MAX ACE が閉塞部位に到達し,2 例は同軸に用いた3MAXでADAPT を施行.6 例で有効な再開通(Thrombolysis in Cerebral Infarction[TICI] 3 5例,TICI 2b 1 例)を得た.治療24 時間後NIHSS は平均7.7 であった.手技に伴う頭蓋内出血は認めなかった.【結論】5MAX ACE は口径が拡大したが,追従性にも優れており,より安全,有効に血栓回収が行えるものと考えられた.