著者
北吉 均 澤谷 邦男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WBS, ワイドバンドシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.674, pp.179-184, 2005-02-25
被引用文献数
2

950MHz帯4W EIRP及び2.45GHz帯RCR STD-1規格で, それぞれ30mまで通信可能な温度センサ付きパッシブ無線タグを開発・試作している.我々は, 無線タグに2分割マイクロストリップ3端子アンテナと受電部のλ/4ショートスタブ共振回路及びラダー昇圧整流回路を用いることを提案している.まず, 2分割マイクロストリップ3端子アンテナを提案し, 従来のダイポール型に比べて無線タグからの応答信号強度を約10dB強くすることができることを示している.また, このアンテナを用いることにより, 従来は利用が難しかった比較的大きな容量性の可変インピーダンス素子を応答用に利用することが可能となり, 無線タグの小電力化と低電圧動作を実現できることを示している.無線タグの受電部は, 入力インピーダンス50Ωで動作し, -20dBmのRF入力を無線タグ応答回路の動作条件である0.6V, 2μAまで昇圧整流することができることを明らかにしている.試作された無線タグのサイズは, 950MHz帯が名刺サイズ, 2.45GHz帯が名刺の1/4の面積である.