- 著者
-
北島 幸也
- 出版者
- 一般社団法人 日本農村医学会
- 雑誌
- 日本農村医学会学術総会抄録集 (ISSN:18801749)
- 巻号頁・発行日
- vol.58, pp.333, 2009
〈はじめに〉当院では,脳転移に対する定位手術的照射<BR>(stereotactic radiosurgery : SRS)を2005年1月から実<BR>施している。SRS 施行前には必ず精度測定が行われポイ<BR>ンタ調整,機械的回転精度測定(ガントリ回転,カウチ回<BR>転)およびSRS 専用ツーブス取付け調整が行われる。今<BR>回,治療精度を最も左右するSRS 専用ツーブス取付け調<BR>整について検討した。<BR>〈対象と方法〉対象は,2005年1月から2009年2月までの<BR>25件(うち34病変)で,取付け調整したツーブスは,10mm<BR>10件,15mm11件,20mm4件,25mm1件,30mm2件<BR>である。取付け調整された各ツーブスにおいて,ガントリ<BR>0°,90°,270°の3方向でライナックグラフィによりアイ<BR>ソセンターにセットアップしたアブソルート(直径8mm<BR>の仮想ターゲット)を撮影した。撮影されたフィルムを<BR>D-Dsystem でスキャンし,取付け調整した各ツーブスの<BR>照射野がアイソセンターからどの程度ずれているかを測定<BR>し検討した。<BR>〈結果〉30mm ツーブスにおいて最大0.751mm のずれが<BR>生じていた。全てのツーブスにおいてガントリ90°,270°<BR>ではアイソセンターより照射野が床側にずれる傾向を示し<BR>た。また,長軸方向はガントリ0°,90°,270°全て足側に<BR>ずれる傾向を示した。<BR>〈考察〉ツーブス調整は手動にて行うため,照射野が大き<BR>くなればアブソルート中心に合わせにくく,調整者による<BR>違いや測定による誤差も生じていると考えられる。<BR>〈結語〉当院におけるSRS 専用ツーブス取付け調整にお<BR>いて精度は1mm 以下である。<BR>