著者
大川 勝徳 北嶋 純也
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.242-248, 1998-03-15
被引用文献数
4

クロユリ(Fritillaria camtschatcensis Ker-Gawl.)球根を栽培して, 出芽, 着葉, 開花および形成された新球などの形態的特徴を調査するとともに, その増殖を目的として球根に多数着生している小球状りん片を用いて, in vitro培養による子球形成に及ぼす温度, 光および植物ホルモンなどの影響を検討した.1. 球根を1995年11月上旬にポットに植え付け, ガラス室で栽培した結果, 葉は5&acd;6枚輪生し, 花は1本の茎から1&acd;2個で斜め下向きに咲いた.花蓋は広鐘形で平開しなかった.1996年7月下旬に球根を圃場から掘り上げ, その状態を調査した結果, 母球とそれに付着していた小球状りん片の大部分は腐敗していた.しかし2個の新球(約5g, 生体重)と子球を形成している6&acd;7個の小球状りん片が残存していた.2. 小球状りん片に子球を形成させるためin vitro培養した結果, 暗条件下で20℃が良い条件であった.3. 小球状りん片の子球形成率を高めるためin vitro培養した結果, NAA 0.1mg・liter^<-1>とEB 0.1 mg・liter^<-1>との併用が良好な条件であった.
著者
大川 勝徳 北嶋 純也 西野 圭 大川 野理子
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.184-188, 1999-01-15
被引用文献数
2 1

本実験はクロユリ(Fritillaria camtschatcensis Ker-Gawl.)の小球状りん片由来の子球を25℃, 1, 500lxで8週間培養した.そしてNAA, カイネチンおよび24-Epibrassinolide(EB)による子球の肥大と子球からの発根および出葉に対する効果を検討した.各植物ホルモン実験の結果, 培養8週間後の子球の肥大と発根にはEB0.01ppmが, また子球からの出葉にはカイネチン0.1ppmが効果的であった.組み合わせた植物ホルモン実験の結果, 培養8週間後の子球の生育にはNAA 1.0ppm, カイネチン0.1ppmおよびEB0.01ppmの3者の組み合わせが最も効果的であった.