著者
北川 豊吉 丸山 康博
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.366-370, 1970

タリウム(III)オキシンキレートはpH5.5の水溶液でほぼ完全に沈殿するが,110~120℃で乾燥しても完全に脱水しない.130℃付近から分子内電子移動反応が起こり,タリウム(III)からタリウム(I)に還元を受け,同時に8-ヒドロキシキノリンも遊離する.したがってタリウム(III)をオキシン塩として重量分析する場合には,厳密な条件下で行なわねばならない.熱重量分析,紫外および赤外吸収スペクトル,ポーラログラフ法および元素分析法を用いてタリウム(III)オキシンキレートの熱分解生成物について検討した.
著者
北川 豊吉
出版者
日本化學雜誌
雑誌
日本化學雜誌 (ISSN:03695387)
巻号頁・発行日
vol.81, no.1, pp.83-85, 1960

錯形成剤してトリリン酸ナトリウム (TPA) を用い, 過マンガン酸カリウムでマンガン酸化滴定する方法ついて検討した。終点指示には白金回転電極を用いる定電位電流滴定法を用いた。+0.35V(vs.SCE), +0.75V(vs.SCE) を設定電位とし, TPA 2g および Triton X-100 数的を加え, pH 6.5-7.0 で滴定を行った結果, 1.6-10mg のマンガンを相対誤差 0.8% 以内で定量できた。本法により数mgのマンガンを迅速に, かつ精度よく滴定することができる。なおコバルト, ニッケル, 鉄, クロムイオンの影響についても検討した。