著者
北津 加純 高橋 知音
出版者
信州大学大学院教育学研究科心理教育相談室
雑誌
信州心理臨床紀要 (ISSN:13480340)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.39-49, 2017-06-01

感情のラベリングの方法の違いが,感情変化や認知的負荷に及ぼす影響について検討した。その結果,感情のラベリングを行う際に,自分自身で、ラベルを生成するよりも選択肢をもとに感情をラベリングした方が,画像による不快度や覚醒度が低下した。また,認知的負荷については自分で、ラベルを生成する条件が最も高かった。感情ラベルを選択肢から選ぶことで,自身の感情状態との距離化が生じ,不快度,覚醒度が小さくなる可能性が示唆された。認知的負荷がかからず感情制御効果も高い,選択肢を用いたラベリングは,今後カウンセリングなどの臨床場面での応用が期待される。