著者
北野 利一 山地 秀幸 川﨑 将生
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.74, no.4, pp.I_319-I_324, 2018 (Released:2019-03-30)
参考文献数
5
被引用文献数
1

同時に生じる2種の自然外力の従属性を検討する必要性が高まっている.極値の閾値モデルの分布関数である一般化パレート(GP)分布の多変量版が近年導入された.しかしながら,期間最大値を対象とした多変量極値分布との対比など,応用の発想に必要となる数学的なアイディアが十分に示されているとは言い難い.従来法よりも柔軟性や実用性を期待できるにもかかわらず,応用例がいまのところほとんどない.本研究では,生起率と2次元ポアソン分布に着目して,理論の再構築を行い,適用法や推定結果の診断を例示する.
著者
北野 利一 植田 祐輝 兼崎 康太 Wenpeng ZHAO
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.74, no.2, pp.I_121-I_126, 2018 (Released:2018-11-10)
参考文献数
12

風水害外力の重複は,被害を助長し,また,災害からの復旧などにも大きな影響を与える.沿岸域の防災・減災計画を策定する際には,このような沿岸域外力の同時生起頻度を考慮に入れる必要がある.それにも関わらず,2変量GP分布を用いた応用例は,現時点で皆無である.その原因の1つは,対象とする極値を抽出する際に必要となる閾値の選定法が十分に検討されていないためと考える.閾値を超える極値に対して一定値をとる特性量を用いて,1変量の閾値選定を行なうのが一般的である.これに対し,2変量の閾値選定に用いられる従来法は,やや単純なアプローチで,必要条件にすぎない.本研究では,2変量ポアソン分布との関連より,閾値を超える生起頻度の相関係数を用いて検討する.ドイツ北部の風速データを用いた解析例で,その有効性を示した.