著者
矢田 新平 原 広幸 北野 寿 下内 可生里
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.47, no.9, pp.687-690, 1994-09-20 (Released:2011-06-17)
参考文献数
11

被毛や肢端に付着した陶芸用絵具あるいはその原料を舐めていた猫1頭 (8歳) と犬2頭 (2歳6ヵ月, 50日) が消化器症状および神経症状を呈し, 異常に高い血中鉛濃度54 (猫), 240 (犬1), 46 (犬2) μg/dlを示した. X線検査では成長期の症例犬2の長骨骨幹端に鉛線 (骨幹端骨硬化症) が認められた. キレート療法を行ったところ, 症例猫と症例犬2は回復したが, 症例犬1は激しい痙攣を起こして死亡した.
著者
才田 祐人 北野 寿 矢田 乃路子 矢田 新平
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.76, no.6, pp.e141-e148, 2023 (Released:2023-06-14)
参考文献数
39

胸部X線検査において椎体長により指標化された評価法が一般的に知られている.そこで本研究では,僧帽弁粘液腫様変性犬において左心房サイズを椎体長に依存しない方法により評価することの有用性について検討した.左心房サイズ(Left atrial size:LAS)は,臨床ステージとともに有意に上昇し,椎骨左心房径と同等に心臓超音波検査所見と強い相関性を示した.したがって,胸部X線検査におけるLASは,従来法と比較し測定がより簡便であり,体重1kg以上3kg未満,3kg以上5kg未満及び5kg以上10kg未満の個体においてカットオフ値をそれぞれ2.3,3.0及び3.3cmに設定することで,心臓超音波検査における左心房及び左心室拡張の目安になりうると考えられた.