著者
貝戸 清之 松本 圭史 鎌田 敏郎 北野 陽一郎 山中 明彦
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.1, pp.22-00111, 2023 (Released:2023-01-23)
参考文献数
36

下水道管渠は埋設構造物であるために,管理対象全域において悉皆調査を行うことが困難である.一方で,調査が実施できなくとも,管渠の劣化に影響を及ぼす属性情報であれば全域で利用可能であることが多い.本研究では,部分的に獲得された調査データを用いて調査実施管渠に対する劣化予測を行ったうえで,回帰クリギングを用いて管渠の劣化異質性と属性情報の空間的関係性を表す空間マッピングモデルにより,調査未実施管渠も含めた全管渠の劣化を予測する方法論を提案する.さらに,劣化予測結果をもとに作成した健全度分布に対して,デュアルカーネル密度推定を用いて老朽管渠の空間的集積傾向を視覚化し,改築更新区域を抽出する.最後に,提案手法を大阪市の下水道コンクリート管渠に対する調査データに適用して,その有用性を検証する.