著者
人見 裕江 塚原 貴子 中西 啓子 千田 美智子 森安 孝子
雑誌
川崎医療福祉学会誌 (ISSN:09174605)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.91-98, 1996

水分摂取は簡便で身近な看護ケアの一つであるが, この飲水が健康な成人の排便習慣に及ぼす影響を, 日本語版便秘評価尺度と便形評価尺度を用いて調べた.普段より実験的に水分を多く飲むことの了解の得られた対象に, 所定の用紙に研究期間中の水分量, 排便時間と負荷前・負荷中・負荷後のCAS評価と便形評価を依頼し, その排便習慣を検討した.その結果, 成人の排便習慣に及ぼす水分の影響として, 飲水を負荷することによって便は柔らかな形となり, 便硬度の軟化傾向があることが明確になった.この飲水の効果の自覚や飲む時間帯による差は, CASおよび便形評価のいずれの場合にも認められない.しかし, 飲水の負荷は, 便秘でない者, また下剤を使わない者の便形を変化させるが, 便秘者への影響は少ない.さらに, 身体の変調を含むCASでは, 飲水の負荷により, 腹部の身体症状を来たしやすく, 飲水が便秘を改善するかどうかCAS得点上にあらわれにくい.