著者
半坂 征則 御船 直人
出版者
社団法人 日本騒音制御工学会
雑誌
騒音制御
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.189-197, 1997

近年, 鉄道において列車走行の高速化や環境基準適用の広範化, 厳格化に伴い騒音制御の必要性が増大している。鉄道騒音低減に寄与する高性能吸音材としてケイ砂等の無機質粒子を少量のエポキシ樹脂で結合した無機質粒子吸音材 (オトメイト) を開発した。無機質粒子吸音材の吸音メカニズムを詳細に検討するため, 粒子の形状因子と吸音特性の関係を評価した。その結果, 粒子結合型吸音材の吸音性能は大きな粒径依存性を有するがそれは主に流れ抵抗の粒径依存性に起因すること, 最大の吸音性能を与える最適粒径分布は約0.5mm~0.9mmの範囲にあること, 小さな粒径範囲において粒子形状の影響が顕著になる等の知見が得られた。