- 著者
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藤本 邦彦
御船 直人
- 出版者
- 一般社団法人 日本ゴム協会
- 雑誌
- 日本ゴム協会誌 (ISSN:0029022X)
- 巻号頁・発行日
- vol.59, no.10, pp.584-589, 1986 (Released:2007-07-09)
- 参考文献数
- 5
- 被引用文献数
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カーボンブラック複合ゴムの三次元応力疲労において, ゴム分子鎖オーダ及びカーボンブラック粒子集合オーダの構造は, 層状異方性構造を形成し, 引張主応力方向では, カーボンブラック粒子集合層内のゴム分子鎖相は配向した非運動性の構造, 圧縮主応力方向での層間のゴム分子鎖相はランダムで運動性の構造を形成するとした. そこで, 本研究では層状異方性構造の形成がゴム分子鎖運動に与える影響を推論し力学分散より検討した. 分散温度は層状構造に平行方向では高温側に, 層状構造に垂直方向では低温側にシフトし, 各々の方向のゴム分子鎖運動は層状構造の形成により非運動性のものと運動性のものとして観測され, ゴム分子鎖相は層内では配向構造, 層間ではランダム構造を形成することが力学分散の実験からも確認される.