著者
藤本 邦彦 御船 直人
出版者
一般社団法人 日本ゴム協会
雑誌
日本ゴム協会誌 (ISSN:0029022X)
巻号頁・発行日
vol.59, no.10, pp.584-589, 1986 (Released:2007-07-09)
参考文献数
5
被引用文献数
6 1

カーボンブラック複合ゴムの三次元応力疲労において, ゴム分子鎖オーダ及びカーボンブラック粒子集合オーダの構造は, 層状異方性構造を形成し, 引張主応力方向では, カーボンブラック粒子集合層内のゴム分子鎖相は配向した非運動性の構造, 圧縮主応力方向での層間のゴム分子鎖相はランダムで運動性の構造を形成するとした. そこで, 本研究では層状異方性構造の形成がゴム分子鎖運動に与える影響を推論し力学分散より検討した. 分散温度は層状構造に平行方向では高温側に, 層状構造に垂直方向では低温側にシフトし, 各々の方向のゴム分子鎖運動は層状構造の形成により非運動性のものと運動性のものとして観測され, ゴム分子鎖相は層内では配向構造, 層間ではランダム構造を形成することが力学分散の実験からも確認される.
著者
半坂 征則 御船 直人
出版者
社団法人 日本騒音制御工学会
雑誌
騒音制御
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.189-197, 1997

近年, 鉄道において列車走行の高速化や環境基準適用の広範化, 厳格化に伴い騒音制御の必要性が増大している。鉄道騒音低減に寄与する高性能吸音材としてケイ砂等の無機質粒子を少量のエポキシ樹脂で結合した無機質粒子吸音材 (オトメイト) を開発した。無機質粒子吸音材の吸音メカニズムを詳細に検討するため, 粒子の形状因子と吸音特性の関係を評価した。その結果, 粒子結合型吸音材の吸音性能は大きな粒径依存性を有するがそれは主に流れ抵抗の粒径依存性に起因すること, 最大の吸音性能を与える最適粒径分布は約0.5mm~0.9mmの範囲にあること, 小さな粒径範囲において粒子形状の影響が顕著になる等の知見が得られた。
著者
北脇 秀敏 藤野 毅 押谷 一 藤田 賢二 御船 直人
出版者
東洋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

1.廃棄物の鉄道輸送状況調査国内・国外の廃棄物の鉄道輸送状況調査を行い、鉄道輸送における技術的・制度的問題点を検討した。2.廃棄物の広域輸送の経済学的視点からの検討これまでの廃棄物処理の基本的な考え方は排出者費用負担の原則を踏まえて、排出域内処理を基本とされてきた。本研究では経済学的な視点から広域処理の問題点を示すとともに、地域計画論の視点から広域輸送方法の選択および処理施設の立地についても基本的な考え方を整理した。3.大規模処分場が環境に与える影響の検討廃棄物によって大規模埋め立てが生じた場合、従来の舗装では微気候が変化し、温暖化がもたらされるが、保水性ブロックや舗装を適用すると自然の土壌と同様な熱環境を維持することや、現在の都市表面が修復された場合のエネルギー効果についても明らかにした。この他、様々な利用法の1つとして家屋の屋根材としての適用場合の効果についても示した。4.わが国の廃棄物鉄道広域輸送のあるべき姿の検討鉄道による廃棄物の広域輸送が健康と環境の保全に果たす役割を整理し、鉄道広域輸送のあるべき姿を検討した。