著者
南 広子 佐藤 知子
出版者
名古屋女子大学
雑誌
名古屋女子大学紀要 (ISSN:02867397)
巻号頁・発行日
no.20, pp.15-21, 1974-03
被引用文献数
1

"冷凍食品の利用の現状を消費者の立場からアンケート調査を行なった結果を要約すると,冷凍食品を利用したことがある者は全体の91.3%であった。冷凍食品を利用する動機は「簡便だから」をあげるものが62.2%あり,調理上の簡便さが調理担当者の関心のまとになっている。利用年数は1968年頃から利用しでいる者が多い。冷凍食品の購入時の目当となるものは,まず第1に新しさを選ぶという態度がみられ,製造年月日をあげる者が45.0%,メーカーを目当にする者は26.5%であった。利用冷凍食品の種瀬は主として,鮮魚貝類,調理冷凍食品のコロッケ類,シューマイ,エビフライが最も多い。保存については,その都度冷凍食品を購入する者が大多数で,冷凍食品のメリットである保存の必要性は,あまり重要視されていないようである。解凍方法は大部分のものがメーカーの標示通りに解凍し,成功している。解凍方法の工夫においては,極く少数の者がヘアードライアーを利用している者があった。利用回数は週に1~2回の者が多く,味に対する評価は「おいしい」「まあまあ」「普通」の者が大部分であった。好んで食べるのは10代から20才までの若年層に多い。冷凍食品を利用することに満足している者と不満としている者とがほぼ同数あった。冷凍食品は今後益々伸びて行く傾向にあると思われるので,日本人の食生活の中における,これらの食品の利用方法を食生活改善の面から指導する上で,今回の調査が何らかの参考となることを期待したい。"