著者
高木 史人 南 清司
出版者
農業食料工学会
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.349-360, 1986

大量の穀物を長期間安全に貯蔵するためには, 穀物がサイロへ投入されてから排出されるまでの段階で発生する様々なトラブル (偏析・固結・破砕・発熱・閉塞・変質等) の中で, 他のトラブルの原因となる穀物をサイロへ投入する際の偏析や貯蔵中の固結に対して, 適切な防止策を講ずることが重要である。<br>そこで, 輸入大豆サイロによる偏析と固結の実態調査と貯蔵物である丸大豆・割豆・ダスト・夾雑物・豆皮に関する各種の物性実験をおこなった。実験の結果, (i) ダストは吸湿性・固結性・発熱性等が高く第1に除去すべき物質である。(ii) 割豆は流動性が悪くダストと共に固結物を形成しやすい物質である。等が明らかになった。以上の結果を基にして, 偏析・固結の防止策を検討し, サイロ投入時に偏析を起こさない粉粒体供給装置を提案した。