著者
高木 史人 南 清司
出版者
農業食料工学会
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.349-360, 1986

大量の穀物を長期間安全に貯蔵するためには, 穀物がサイロへ投入されてから排出されるまでの段階で発生する様々なトラブル (偏析・固結・破砕・発熱・閉塞・変質等) の中で, 他のトラブルの原因となる穀物をサイロへ投入する際の偏析や貯蔵中の固結に対して, 適切な防止策を講ずることが重要である。<br>そこで, 輸入大豆サイロによる偏析と固結の実態調査と貯蔵物である丸大豆・割豆・ダスト・夾雑物・豆皮に関する各種の物性実験をおこなった。実験の結果, (i) ダストは吸湿性・固結性・発熱性等が高く第1に除去すべき物質である。(ii) 割豆は流動性が悪くダストと共に固結物を形成しやすい物質である。等が明らかになった。以上の結果を基にして, 偏析・固結の防止策を検討し, サイロ投入時に偏析を起こさない粉粒体供給装置を提案した。
著者
高木 史人 矢野 敬一 立石 展大 蔦尾 和宏 伊藤 利明 生野 金三 浮田 真弓
出版者
関西福祉科学大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

平成29年度は当該研究の2年目として、平成28年度に行ったシンポジウムの成果を活かして、さらなる研究の深化を期した。具体的には国語科の文部科学省検定済教科用図書及びその教師用指導書に徴して、「伝統文化」教材の扱われ方と指導書における指導法への言及の分析を進めた。なお、平成29年告示の『小学校学習指導要領』では、従来の学習指導要領における国語科の「3領域及び1事項」という区分が見直された。従来の1事項が〔伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項〕であったものが、今次の学習指導要領では大きく〔知識及び技能〕〔思考力、判断力、表現力等〕〔学びに向かう力、人間性等〕の3本の柱が立てられ、その中の〔知識及び技能〕が「(1)言葉の特徴や使い方に関する事項」「(2)情報の扱い方に関する事項」「(3)我が国の言語文化に関する事項」に分かたれ、その(3)が従来の〔伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項〕の前半「伝統的な言語文化」部分に相当するものと見られる。この間の学習指導要領の推移、変化の分析に多くの努力を行った。これらは生野金三・香田健児・湯川雅紀・高木史人編『幼稚園・小学校教育の理論と指導法』(平成30年2月、鼎書房刊、206ページ)にまとめられた。また、高木は「社会的・共=競演的でひろい悟り」へのアプローチ―小学校教育史、国語科教育史との係わりから―」(『口承文芸研究』第41号、平成30年3月、日本口承文芸学会刊)において平成29年12月に行った科研費メンバーによるシンポジウムの概略を紹介しつつ、現行の伝統文化教育の根拠となっている平成18年改教育基本法第2条第5項の淵源が、昭和16年3月改正の小学校令第1条第3項にあることに触れて、日本の長い教育史の中ではこれは伝統的でなったことと結論づけた。伝統という語じたいが昭和初期の流行りであった。
著者
高木 史人
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.47-55, 2007-05-10

日本の民俗学・口承文芸では、柳田國男の影響の下、「世間話」の語を一般に用いて研究してきた。けれども、柳田じしんの著作を読むと、「噂」という語も浮かび上がる。「噂」は従来の民俗学・口承文芸では用いてこなかった。この論文では、柳田による「噂」の語を検討し、そこから古代の「風聞」や「世語り」の語と対応するのが「世間話」だけであったのかを考えてみた。