著者
村上 忠弘 南村 弘佳 馬場 俊雄 新田目 淳孝
出版者
特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
雑誌
日本心臓血管外科学会雑誌 (ISSN:02851474)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.208-212, 2022-07-15 (Released:2022-07-30)
参考文献数
12

心臓原発未分化多形成肉腫はきわめて稀な心臓悪性腫瘍であり,その予後はきわめて不良である.症例は当院初診時47歳の女性,45歳時に労作時呼吸困難で前医を受診し,心臓エコー検査で左心房に巨大腫瘍を認め切除術を行った.初回手術後の病理検査で未分化多形成肉腫と診断された.その後再発を繰り返し当院で4回の再手術を施行し,Pazopanib投与による化学療法を併施した.初回手術より5年の長期生存が可能となったのでこれを報告する.
著者
阪口 正則 村上 忠弘 石川 巧 南村 弘佳
出版者
特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
雑誌
日本心臓血管外科学会雑誌 (ISSN:02851474)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.108-111, 2015 (Released:2015-04-11)
参考文献数
17

症例は69歳,女性.食後の腹痛および血便を認め,下部消化管内視鏡検査で虚血性腸炎が疑われた.腹部造影CT検査で上腸間膜動脈の起始部閉塞による腹部アンギーナと診断された.造影CT検査では,胸腹部大動脈および腹部大動脈に壁在血栓を伴う拡大と高度の大動脈壁石灰化を認め,また,両側の総腸骨動脈にも高度の狭窄を認めた.手術は,大伏在静脈グラフトを用い,腹部の主要な分枝動脈で唯一起始部から末梢まで狭窄を認めなかった右腎動脈から,上腸間膜動脈にバイパス術を行った.術後,食後の腹痛は消失し,良好な経過を得た.