著者
南郷 拓嗣
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.56, no.9, pp.871, 2020 (Released:2020-09-01)
参考文献数
3

自閉症スペクトラム(autism spectrum disorder: ASD)は,社会的相互交渉およびコミュニケーションの障害(社会性行動障害)を主症状とする疾患である.これまで,ASDの子どもの行動障害が発熱によって一時的に改善することが報告されているが,そのメカニズムについては不明なままであった.本稿では,発熱による社会性行動障害の改善にinterleukin(IL)-17aが重要な役割を果たすことを明らかにしたReedらの報告について紹介する.なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.1) Grzadzinski R. et al., Autism Res., 11, 175-184(2018).2) Reed M. D. et al., Nature, 577, 249-253(2020).3) Yim Y. S. et al., Nature, 549, 482-487(2017).