著者
印東道子責任編集
出版者
弘文堂
巻号頁・発行日
2007
著者
印東 道子
出版者
北海道東海大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

本研究は、日本統治時代のミクロネシアから持ち帰られ、日本の研究機関に所蔵されている考古遺物の資料調査を行い、その結果を英文で刊行することを目的として行われた。昨年度は資料調査にあて、東京大学総合研究博物館および国立民族学博物館にて、所蔵遺物のカタログ化、実測図の作製、写真撮影、調査に関する文献調査などを行った。これらは、東京大学の長谷部言人、八幡一郎、松村瞭などの考古学および人類学研究者が、昭和初期にミクロネシアの島々で数回にわたって学術調査を行ったときに、発掘、表面採集、あるいは民族標本として採集されたものである。今年度は、咋年度得られた実測資料および写真資料を、カード型ソフトを使ってデータベース化し、英文の資料集成の刊行を行った。遺物は地域別に、西から東へと並べ、個々の採集年や採集者のデータおよび遺物にかんするコメントも書き加えてある。とくに、ポーンペイのナンマタール遺跡およびコシャエのレレ巨石遺跡からの発掘品は貴重である。これら、日本所蔵のミクロネシアの遺物に関する諸外国の関心は高く、とくに各島に設置されている文化財保護委員会からは、この研究成果の公表方法に関しての問い合わせがすでによせられている。