著者
松浦 豊明 丸岡 真治 川崎 健輔 原 嘉昭
出版者
特定非営利活動法人 日本バイオレオロジー学会
雑誌
日本バイオレオロジー学会誌 (ISSN:09134778)
巻号頁・発行日
vol.17, no.4, pp.1-10, 2003-12-25 (Released:2012-09-24)
参考文献数
15

The vitreous body is a tenuous gel that contains collagen and hyaluronan. The fraction of the polymer network is only about 1-2%. Thus, about 98-99% of water is sustained within 2% of the polymer network. The vitreous body is located between the lens and the retina that comprises 80% of the overall volume of eye. The functions of the vitreous body are supposed to keep the shape of the eyeball, to absorb the external mechanical shock, to maintain the homoeostasis of the eye, and to regulate the position of the lens. The appearance of fresh vitreous body is transparent, and hence, the vitreous body is considered a uniform tissue. Many studies performed to date have suggested that hyaluronan, which has a coil shape, is uniformly distributed throughout the three-dimensional network of collagen fibers that form the triple helix in the vitreous body. Also, as a macroscopic structure, vitreous body has cistern. Further, the collapse of the vitreous body in the eye may cause many diseases such as posterior vitreous detachment, vitreous bleeding, and retinal detachment. We demonstrate the vitreous substitute that contains hyaluronan and its evaluation.
著者
北崎 宏平 大谷 喜永 小原 嘉昭 太田 剛 梅田 剛利 馬場 武志 阿野 仁志 片本 宏
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.72, no.3, pp.147-153, 2019-03-20 (Released:2019-04-20)
参考文献数
30
被引用文献数
1

暑熱期の乳牛は,酸化ストレス状態にあることが知られている.泌乳牛において,トレハロースの飼料添加による酸化ストレス指標の改善が報告されているが,暑熱期での効果は不明である.本研究では,6頭の泌乳牛を対照区とトレハロース区(1.5%添加)に分け,2群×2期のクロスオーバー試験を暑熱期と適温期に実施し,血液,乳汁及び第一胃内容液の酸化ストレス指標への影響を調べた.暑熱期の飼料摂取量は,トレハロース区が対照区よりも多く(P<0.01),第一胃液中の原虫数は,暑熱期,適温期ともにトレハロース区においてEntodinium 属が多かった(P<0.05).抗酸化能を表す1,1-diphenyl-2-picrylhydrazyl(DPPH)ラジカル消去活性は,暑熱期,適温期ともにトレハロース区の乳汁で高く(P<0.05),血漿でも暑熱期のトレハロース区が高い傾向を示した.これらのことから,暑熱期における泌乳牛の飼料へのトレハロースの添加は抗酸化能の改善に有効と考えられた.
著者
生田 健太郎 大谷 喜永 増子 孝則 森 ゆうこ 中野 兼一 小原 嘉昭
出版者
兵庫県立農林水産技術総合センター
雑誌
兵庫県立農林水産技術総合センター研究報告. 畜産編 (ISSN:13477730)
巻号頁・発行日
no.50, pp.15-22, 2014-03

周産期の経産牛10頭を供試し,乳生産と生理性状に対するプロピオン酸菌製剤(PB)と乳酸菌発酵副産物(LB)の投与効果を観察する実験を行った。分娩予定3週前から分娩後4週までの間,1日1頭当たりPB20g(プロピオン酸菌量5×10 10cfuを含有)とLB10gを飼料添加する投与区と無添加の対照区へ5頭ずつ配置し,分娩予定3週前から分娩後12週まで飼養試験を行った結果,以下に示す実験結果が得られた。1 乾物摂取量は分娩後6週以降投与区で多く推移し,8~12週にかけて有意差が認められた。2 乳量は2週以降投与区が多く推移し,5~12週にかけて有意差が認められた。乳脂率は4週以降投与区が高く推移し,4と6週で有意差が認められた。乳蛋白質率は投与区で低く推移し,4から12週にかけて有意差が認められた。無脂固形率は投与区で4週以降低く推移し,4週に有意差が認められた。3 体重には差が見られなかったが,ボディ・コンディション・スコアは投与区で分娩後4週以降低く推移し,8週で有意差が認められた。4 第一胃液pHは両区間に差が見られなかった。アンモニア態窒素濃度は投与区で分娩後6週以降低く推移した。総揮発性脂肪酸(VFA)濃度は両区間に差が見られなかったが,VFA中の酢酸割合は投与区で分娩前1週から高く推移し,分娩後4週に有意差が認められた。逆に,プロピオン酸割合は投与区で低く推移し,分娩後4と12週に有意差が認められた。5 血液のヘマトクリット値(Ht)とβヒドロキシ酪酸(BHB)は投与区で高く推移し,Htでは分娩後2,6,8及び12週に,BHBでは分娩後8及び12週にそれぞれ有意差が認められた。以上の結果より,周産期の経産牛へのPBとLBの混合投与は第一胃内での窒素同化の促進や酢酸型発酵への誘導を介した乳生産向上効果が期待できる。
著者
生田 健太郎 大谷 喜永 増子 孝則 森 ゆうこ 中野 兼一 小原 嘉昭
出版者
兵庫県立農林水産技術総合センター
雑誌
兵庫県立農林水産技術総合センター研究報告. 畜産編 (ISSN:13477730)
巻号頁・発行日
no.50, pp.15-22, 2014-03

周産期の経産牛10頭を供試し,乳生産と生理性状に対するプロピオン酸菌製剤(PB)と乳酸菌発酵副産物(LB)の投与効果を観察する実験を行った。分娩予定3週前から分娩後4週までの間,1日1頭当たりPB20g(プロピオン酸菌量5×10 10cfuを含有)とLB10gを飼料添加する投与区と無添加の対照区へ5頭ずつ配置し,分娩予定3週前から分娩後12週まで飼養試験を行った結果,以下に示す実験結果が得られた。1 乾物摂取量は分娩後6週以降投与区で多く推移し,8~12週にかけて有意差が認められた。2 乳量は2週以降投与区が多く推移し,5~12週にかけて有意差が認められた。乳脂率は4週以降投与区が高く推移し,4と6週で有意差が認められた。乳蛋白質率は投与区で低く推移し,4から12週にかけて有意差が認められた。無脂固形率は投与区で4週以降低く推移し,4週に有意差が認められた。3 体重には差が見られなかったが,ボディ・コンディション・スコアは投与区で分娩後4週以降低く推移し,8週で有意差が認められた。4 第一胃液pHは両区間に差が見られなかった。アンモニア態窒素濃度は投与区で分娩後6週以降低く推移した。総揮発性脂肪酸(VFA)濃度は両区間に差が見られなかったが,VFA中の酢酸割合は投与区で分娩前1週から高く推移し,分娩後4週に有意差が認められた。逆に,プロピオン酸割合は投与区で低く推移し,分娩後4と12週に有意差が認められた。5 血液のヘマトクリット値(Ht)とβヒドロキシ酪酸(BHB)は投与区で高く推移し,Htでは分娩後2,6,8及び12週に,BHBでは分娩後8及び12週にそれぞれ有意差が認められた。以上の結果より,周産期の経産牛へのPBとLBの混合投与は第一胃内での窒素同化の促進や酢酸型発酵への誘導を介した乳生産向上効果が期待できる。