著者
水田 泰徳
出版者
兵庫県立農林水産技術総合センター
雑誌
兵庫県立農林水産技術総合センター研究報告 農業編 (ISSN:13477722)
巻号頁・発行日
no.55, pp.5-9, 2007-03

主幹形に仕立てたモモに対する環状はく皮処理が生育や果実品質に及ぼす影響を検討した.1.主幹部に対する幅5mmの環状はく皮処理により,処理後の新梢生長が抑制され,果実の糖度が高まった.しかし,鋸による付傷処理(幅2mm)の新梢発生抑制効果や品質向上効果は環状はく皮処理と比べて劣った.2.収穫45日前の環状はく皮処理と比べて,収穫30および15日前処理で新梢発生抑制効果や品質向上効果が高かった.また,収穫45日前および30日前処理は生理落果が増加する傾向がみられた.
著者
水田 泰徳
出版者
兵庫県立農林水産技術総合センター
巻号頁・発行日
no.55, pp.5-9, 2007 (Released:2011-02-01)

主幹形に仕立てたモモに対する環状はく皮処理が生育や果実品質に及ぼす影響を検討した.1.主幹部に対する幅5mmの環状はく皮処理により,処理後の新梢生長が抑制され,果実の糖度が高まった.しかし,鋸による付傷処理(幅2mm)の新梢発生抑制効果や品質向上効果は環状はく皮処理と比べて劣った.2.収穫45日前の環状はく皮処理と比べて,収穫30および15日前処理で新梢発生抑制効果や品質向上効果が高かった.また,収穫45日前および30日前処理は生理落果が増加する傾向がみられた.
著者
生田 健太郎 大谷 喜永 増子 孝則 森 ゆうこ 中野 兼一 小原 嘉昭
出版者
兵庫県立農林水産技術総合センター
雑誌
兵庫県立農林水産技術総合センター研究報告. 畜産編 (ISSN:13477730)
巻号頁・発行日
no.50, pp.15-22, 2014-03

周産期の経産牛10頭を供試し,乳生産と生理性状に対するプロピオン酸菌製剤(PB)と乳酸菌発酵副産物(LB)の投与効果を観察する実験を行った。分娩予定3週前から分娩後4週までの間,1日1頭当たりPB20g(プロピオン酸菌量5×10 10cfuを含有)とLB10gを飼料添加する投与区と無添加の対照区へ5頭ずつ配置し,分娩予定3週前から分娩後12週まで飼養試験を行った結果,以下に示す実験結果が得られた。1 乾物摂取量は分娩後6週以降投与区で多く推移し,8~12週にかけて有意差が認められた。2 乳量は2週以降投与区が多く推移し,5~12週にかけて有意差が認められた。乳脂率は4週以降投与区が高く推移し,4と6週で有意差が認められた。乳蛋白質率は投与区で低く推移し,4から12週にかけて有意差が認められた。無脂固形率は投与区で4週以降低く推移し,4週に有意差が認められた。3 体重には差が見られなかったが,ボディ・コンディション・スコアは投与区で分娩後4週以降低く推移し,8週で有意差が認められた。4 第一胃液pHは両区間に差が見られなかった。アンモニア態窒素濃度は投与区で分娩後6週以降低く推移した。総揮発性脂肪酸(VFA)濃度は両区間に差が見られなかったが,VFA中の酢酸割合は投与区で分娩前1週から高く推移し,分娩後4週に有意差が認められた。逆に,プロピオン酸割合は投与区で低く推移し,分娩後4と12週に有意差が認められた。5 血液のヘマトクリット値(Ht)とβヒドロキシ酪酸(BHB)は投与区で高く推移し,Htでは分娩後2,6,8及び12週に,BHBでは分娩後8及び12週にそれぞれ有意差が認められた。以上の結果より,周産期の経産牛へのPBとLBの混合投与は第一胃内での窒素同化の促進や酢酸型発酵への誘導を介した乳生産向上効果が期待できる。
著者
吉野 豊 前田 雅量
出版者
兵庫県立農林水産技術総合センター
雑誌
兵庫県立農林水産技術総合センター研究報告 森林林業編 (ISSN:13477749)
巻号頁・発行日
no.53, pp.5-9, 2006-03

強度に間伐(間伐本数率:55.5%)後、落葉広葉樹苗木を樹下植栽したスギ人工林で9年間の下層植生の変化と、それが植栽苗木の成長に及ぼす影響、および間伐による上木の肥大成長促進効果を検討した。対照区(無間伐区)では、試験開始前に林床植生はほとんど認められなかった。一方、間伐区では試験開始前の林床植生の種数は23種と少なく、植栽後に苗木の成長を阻害したと思われるものは、局所的に分布したチマキザサでのみであった。しかし、間伐2年目には、多年草、落葉低木、落葉高木などを主に種数は56種と著しく増加した。このうち植生高からみて植栽直木の成長を姐害したと思われるものは、チマキザサ、タニウツギ、ヨモギなど少数であり、分布範囲も局所的であった。この結果から、林内の植生量は少なく下刈が軽減できることがわかった。上木の胸高直径の肥大成長をみると、間伐区は対照区に比較して上位の径級に移行した割合が多く、平均胸高直径も有意に大きく、強度間伐による顕著な肥大成長の促進効果が認められた。強度に間伐した相対照度40%程度のスギ壮齢林内に下木を植栽する方法は、林床植生の種・量は増えるが、下刈りが軽減でき省力的に更新樹を育成できるうえに、上木の肥大成長を促進することによって、将来長伐期の択伐林型に誘導するのに適した施業法といえる。
著者
生田 健太郎 大谷 喜永 増子 孝則 森 ゆうこ 中野 兼一 小原 嘉昭
出版者
兵庫県立農林水産技術総合センター
雑誌
兵庫県立農林水産技術総合センター研究報告. 畜産編 (ISSN:13477730)
巻号頁・発行日
no.50, pp.15-22, 2014-03

周産期の経産牛10頭を供試し,乳生産と生理性状に対するプロピオン酸菌製剤(PB)と乳酸菌発酵副産物(LB)の投与効果を観察する実験を行った。分娩予定3週前から分娩後4週までの間,1日1頭当たりPB20g(プロピオン酸菌量5×10 10cfuを含有)とLB10gを飼料添加する投与区と無添加の対照区へ5頭ずつ配置し,分娩予定3週前から分娩後12週まで飼養試験を行った結果,以下に示す実験結果が得られた。1 乾物摂取量は分娩後6週以降投与区で多く推移し,8~12週にかけて有意差が認められた。2 乳量は2週以降投与区が多く推移し,5~12週にかけて有意差が認められた。乳脂率は4週以降投与区が高く推移し,4と6週で有意差が認められた。乳蛋白質率は投与区で低く推移し,4から12週にかけて有意差が認められた。無脂固形率は投与区で4週以降低く推移し,4週に有意差が認められた。3 体重には差が見られなかったが,ボディ・コンディション・スコアは投与区で分娩後4週以降低く推移し,8週で有意差が認められた。4 第一胃液pHは両区間に差が見られなかった。アンモニア態窒素濃度は投与区で分娩後6週以降低く推移した。総揮発性脂肪酸(VFA)濃度は両区間に差が見られなかったが,VFA中の酢酸割合は投与区で分娩前1週から高く推移し,分娩後4週に有意差が認められた。逆に,プロピオン酸割合は投与区で低く推移し,分娩後4と12週に有意差が認められた。5 血液のヘマトクリット値(Ht)とβヒドロキシ酪酸(BHB)は投与区で高く推移し,Htでは分娩後2,6,8及び12週に,BHBでは分娩後8及び12週にそれぞれ有意差が認められた。以上の結果より,周産期の経産牛へのPBとLBの混合投与は第一胃内での窒素同化の促進や酢酸型発酵への誘導を介した乳生産向上効果が期待できる。
著者
岡 章生 岩本 英治 龍田 健
出版者
兵庫県立農林水産技術総合センター
雑誌
兵庫県立農林水産技術総合センター研究報告 畜産編 (ISSN:13477730)
巻号頁・発行日
no.45, pp.1-7, 2009-03

成長ホルモン(GH)遺伝子型の異なる黒毛和種去勢牛を用い、ビタミンA給与制限時期の違いが増体、肉質に及ぼす影響を調査した。供試牛は10か月齢の黒毛和種去勢牛でGH遺伝子型がAA型である広島県産(AA区)8頭とBC型である兵庫県産(BC区)10頭を用い、ビタミンA給与制限時期(12-23か月齢:12か月齢開始区、16-27か月齢:16か月齢開始区)によりそれぞれ2区に分けた。ビタミンAは制限時期以外は毎月100万IUを筋肉注射し、制限時期においても制限終了2か月前から毎月20万IUを筋肉注射した。また、各区とも23か月齢以降は飼料にビタミンA(400IU/kg濃厚飼料)を添加して与え、29か月齢でと畜した。(1)体重、体高、胸囲、増体量、飼料摂取量、枝肉重量、ロース芯面積及びバラ厚はAA区がBC区よりも有意に大きい値を示したが、脂肪交雑は両区の間に有意な差は見られなかった。(2)体重、増体量、枝肉重量、脂肪交雑、肉色、ロース芯面積、バラ厚及び皮下脂肪厚は12か月齢開始区と16か月齢開始区で有意な差は見られなかった。(3)胸最長筋脂肪の脂肪酸組成については、AA区ではオレイン酸とモノ不飽和脂肪酸割合は12か月齢開始区が16か月齢開始区よりも有意に低くなった。(4)以上のことから、ビタミンA制限開始時期が12〜16か月齢ではGH遺伝子型に関係なく増体量、脂肪交雑には影響しないことが分かった。また、早期からビタミンAを制限するとAA型の牛ではモノ不飽和脂肪酸割合が低下することが示唆された。
著者
宮原 一隆 武田 雷介
出版者
兵庫県立農林水産技術総合センター
雑誌
兵庫県立農林水産技術総合センター研究報告 水産編 (ISSN:13477757)
巻号頁・発行日
no.38, pp.25-29, 2005-11
被引用文献数
1

兵庫県但馬地域におけるソデイカ釣り漁法について,漁法の開発過程と変遷を整理した。1960年代初期に,竹竿,30-60mの釣り糸,生鮮餌を用いた夜間の一本釣り漁業が地域的に開始された。1967年に,より効率的な漁獲を目的として延縄式と立縄式の諸漁法が導入された。その後,多くの試行錯誤を経て1960年代後期には日中操業の「樽流し立縄漁法」が確立された。漁具漁法の主要な改良は1980年代には完了していたため,1990年代以降のソデイカ来遊資源の高水準期を迎えるにあたり,漁獲努力の迅速かつ効率的な投入が可能になったと考えられた。これらの漁法は,日本海の各沿岸海域や,沖縄,鹿児島,東京(小笠原)の島嶼部でも広く導入されることとなった。
著者
水谷 祐一郎 山中 正仁
出版者
兵庫県立農林水産技術総合センター
雑誌
兵庫県立農林水産技術総合センター研究報告 農業編 (ISSN:13477722)
巻号頁・発行日
no.59, pp.7-12, 2011-03

ポットハボタンの12月中旬出荷に適した播種時期を8月5日から10月5日の間で10日ごとに設定し調査した.1 いずれの播種日においても発芽率は90%以上であった.2 8月15日の播種で葉数及び地上部生体重が最大になった.8月25日以降の播種では播種日が遅くなるほど減少し,9月5日以降の播種では葉数及び地上部生体重が出荷商品として不足した.3 8月5日播種では,12月中旬における地上部生体重が11月中旬より減少した.4 9月25日と10月5日の播種で着色葉数は少なく,着色部径は小さかった.5 葉数,地上部生体重及び葉の着色から判断すると,8月15日と8月25日が12月中旬出荷に適した播種日であった.
著者
小林 尚司 西口 真嗣 大塩 哲視
出版者
兵庫県立農林水産技術総合センター
雑誌
兵庫県立農林水産技術総合センター研究報告 農業編 (ISSN:13477722)
巻号頁・発行日
no.57, pp.37-43, 2009-03

レタスビッグベイン病の防除対策として耐病性品種や開発した各種の防除技術について、どの程度の被害軽減効果があるかを表すため、階級別収量から求めた粗収益に基づく評価を試みた。1.試験1.耐病性品種の評価。2007年10月2日に播種し、育苗した苗を10月31日に現地汚染圃場に定植し、2008年2月13日に収穫調査を行った。発病株率は、慣行品種の「サントス2号」が90%以上の高い値を示す中、「T-0570」、「05-218」、「安濃2号」、「A608」、「TE-236」、「パシフィック」は30%未満の値を示し耐病性が強かった。球の肥大性は、「T-0570」、「TE-236」、「UC-021」、「YL219」、「安濃2号」、「A608」で球重が400g以上、推定体積が1,400cm3以上と優れた。球の形状では、「T-0571」、「LE293」、「05-218」が秀品率70%以上と高かった。収穫物を出荷基準により品質・大きさ別に分類し、市況より求めた各階級別の単価を乗じ算出した粗収益は、「YL219」が50.7万円、「TE-236」が44.6万円、「05-218」が38.6万円、「安濃2号」が37.0万円であった。2.試験2.防除技術の組合せの評価。「サントス2号」の慣行栽培では発病株率98.9%、収穫株率76.7%、結球重383gとなり粗収益は30.3万円であるのに対し、定植時のチオファネートメチル水和剤処理では発病株率73.0%、収穫株率90.0%、結球重416gとなり粗収益は40.2万円と約10万円増加し、定植前にカーバムナトリウム塩液剤処理を行うと発病株率0%、収穫株率100%、結球重533gと優れ、粗収益は64.1万円と最も高くなった。3.以上より、粗収益に基づく評価法は、耐病性品種では、実用性の高い品種の選定が可能となり、防除技術の組合せでは、投入した資材費に対する効果の比較が可能となり、開発した技術の普及性の評価に有効であると考えられる。
出版者
兵庫県立農林水産技術総合センター
雑誌
兵庫県立農林水産技術総合センター研究報告. 農業編 (ISSN:13477722)
巻号頁・発行日
no.56, pp.37-38, 2008-03

1979年から2002年にかけて、5年間隔で5回(5巡)、兵庫県内水田土壌の可給態ケイ酸含量、資材施用量および灌漑水のケイ酸含量の変化を調査した。1.ケイ酸質資材の施用量は但馬地域以外の県内全域で減少しており、土壌中の可給態ケイ酸含量(酢酸緩衝液抽出法)は4巡目まで減少傾向が認められた。その傾向は、丹波地域で著しかった。2.灌漑水のケイ酸含量は13mg/L前後で推移し、調査期間中、顕著な変化は認められなかった。3.今後、さらに資材施用量が減少し、それに伴い土壌中の可給態ケイ酸含量の低下が懸念されているので、ケイ酸質資材の効率的施用と土壌モニタリングの継続が重要であると考えられた。