著者
原木 大典 鈴木 智也 池口 徹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.676, pp.43-48, 2006-03-14

自然界など複雑なシステムにおいて生成された時系列データを解析及び予測するために、様々な手法が提案されている.その手法の有用性を評価する指標として、平均二乗誤差が用いられることが多い.この指標は、予測値を局所的な1点に定めた時の真値との誤差の平均を評価する.一方、台風の通過予報円のように、今後の状態変化を大域的な視点から予測領域として示すことも重要である.このような予測領域提示の従来法の一つにアンサンブル予測がある.アンサンブル予測とは、複数の近傍群から個別に予測器を構成し、複数の予測値を得ることで、予測領域を算出する手法である.本研究では,予測領域の算出にブートストラップ法を適用することで、アンサンブル予測との予測性能を比較する.さらに、数値シミュレーションにより、効率的な予測領域の算出にはブートストラップ法が非常に有用であることを示す.