著者
秦 康範 原田 悠平
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.70, no.4, pp.I_1107-I_1117, 2014 (Released:2014-07-15)
参考文献数
42

2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震では,330件に及ぶ多数の火災が発生した.津波被害の大きい東北地方だけでなく,関東地方においても多くの火災が発生した.本研究では,消防本部から提供された火災データに基づき,出火点の推定地震動を付加した火災データベースを構築し,地震動に起因する火災(地震型火災)の出火原因の内訳を明らかにした.出火原因別に出火日時と累積出火割合の関係を明らかにするとともに,非停電地域における電気火災を取り上げ電力が供給されていれば停電に関係なく電気火災が発生することを示した.推定した震度曝露人口から,出火原因ごとに震度別出火率を算出した.