著者
去川 俊二 吉村 浩太郎
出版者
自治医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

免疫染色では凍結保存した脂肪組織の脂肪細胞はすべて死亡していることが明らかとなった。脂肪幹細胞についても、生存しているものの、割合は小さかった。さらに、脂肪移植の動物実験において、新鮮脂肪組織の移植と比較して、大きく劣ることがわかった。今回の研究によって、現存する脂肪組織の凍結保存方法では、一定の幹細胞は保存できるものの、脂肪細胞は不可能である。幹細胞についても細胞としての凍結保存に比べて、大きく劣ることが分かった。再生医療の重要な細胞源とされる脂肪組織の利用法の最適化について、新しい知見を与えた。組織としての凍結では効率が悪いため、何らかの方法を開発する必要があることが明らかとなった。