著者
富田 知子 神山 資将 及川 麻衣子 木村 康一 永松 俊哉
出版者
学校法人 山野学苑 山野美容芸術短期大学
雑誌
山野研究紀要 (ISSN:09196323)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.11-18, 2022 (Released:2023-03-31)

美意識とは、「美」に対する感覚や判断力を意味するが、その概念は地域や風土、あるいは文化や歴史などによって、様相に違いがあると言われている。1)これまで富田らは日本での美容に関する「美意識」のあり方について調査を行い、年齢や立場によってその捉え方が違うことを示してきた。まず日常生活の中で自身の思う美意識と実生活の一致について、学生と高齢者を比較した場合、高齢者の「自身が思う美意識」と「実生活」との一致が強く示唆された。2)次に理美容師の「美意識」についての検討では、年代によってとらえ方に違いがみられた。このことから、教育や経験によって「美意識」を獲得していくことが推測できる。今回、山野美容芸術短期大学の美容教育の核となる授業「美道論」に注目し、その受講前後での「美意識」の捉え方を比較検討した。
著者
石井 慶子 大野 淑子 及川 麻衣子 大西 典子
出版者
社団法人 可視化情報学会
雑誌
可視化情報学会論文集 (ISSN:13465260)
巻号頁・発行日
vol.41, no.7, pp.21-27, 2021 (Released:2021-06-30)
参考文献数
11

新型コロナウイルスは無症状感染する特徴により爆発的に感染者数が増えている可能性が指摘されている.咳やくしゃみ,発話で発する飛沫のうち,2~3μm以下の微小粒子のもの(エアロゾル)は広範に拡散し,空中で数時間漂うと言われている.密集・密閉した環境での集団感染が多く報告されたこともあり,この原因と言われはじめたのが,エアロゾル感染である.現象を理解したうえで,適切な感染対策を行い,安心を示した上で接客を行うことが,社会の混乱を避けながら,経済停滞を防ぎ,生活の質を維持することに重要である.そこで,本研究ではマスクやフェイスシールドの有無による呼気エアロゾルの流れの可視化を行った.感染が問題となる呼気エアロゾルの粒形と,電子タバコの粒径が近いため,電子タバコの煙のレーザー散乱光をカメラで撮影した.マスクをすると,呼気エアロゾルは体の表面に滞留し,ゆっくりと体の表面に沿って上昇した.下を向いている場合,マスクをしていても,マスクの上下端から漏れ出した呼気エアロゾルが乱れながら下方に向かった.フェイスシールドには感染症予防に意味がないという話が広く認識されているが,フェイスシールドを着用すると,呼気エアロゾルが体の表面に滞留しやすくなり,暖められたエアロゾルが下に向かわず,上昇した.すなわち,介護や医療,美容関係者等が下方にいる人間に接近する場合,マスクとフェイスシールドをどちらもつけると,顧客に呼気エアロゾルを浴びせる量を効果的に低減させることができると考えられる.