著者
野澤 伸一郎 白崎 広和 和田 旭弘 友利 方彦
出版者
公益社団法人 地盤工学会
雑誌
地盤工学ジャーナル
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.127-137, 2012
被引用文献数
3

東北地方太平洋沖地震では,鉄道も広い範囲で被災した。JR東日本線において,地震動では在来線の盛土・切土が被害を受けたが,それぞれの規模は大きくなく,線路延長では最大でも120m程度であった。トンネルの被害は新幹線,在来線とも極めて軽微であった。京葉線はじめ鉄道沿線で液状化が発生したが,高架橋,橋梁については,変状は無かった。津波による被害は甚大であり,海岸線を走る5線区の盛土,切土では50箇所にのぼる被害を受けた。海岸にある防潮堤や鉄道盛土と隣接した架道橋の存在により,被害の形態や規模は異なっていた。