著者
双見京介 寺田努 塚本昌彦
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.4, pp.1-8, 2013-03-07

自分の髪の毛を自分自身で散髪することは難しい.伸びた髪を散髪する場合には美容室や理容室,床屋といった専門家のいる場所へ行くのが一般的である.しかし,髪質も顔も趣味も異なる専門家に各個人が抱く髪型の悩みや理想のイメージを伝えることはうまくいかないこともある.こういったことに対する不満や,その他の好奇心や目的によって自分で散髪したいという欲求,動機が生じることがある.しかし,本研究でヘアセルフカットと呼ぶこの行為を実行するためには,技術面や環境面においていくつかの課題が存在する.本研究では,ヘアセルフカットを現状の道具や環境でおこなった場合に課題となる 「目では見えない範囲の映像の取得」 に重点を置き,自分の目では見えない範囲をカメラで撮影し,その映像を見ながらヘアセルフカットを行うシステムを提案する.評価実験により提案システムの有効性を確認した.
著者
双見 京介 寺田 努 塚本 昌彦
雑誌
マルチメディア,分散協調とモバイルシンポジウム2017論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, pp.467-478, 2017-06-21

近年,コンピューティング技術を用いたモチベーション制御手法として競争を利用したものがヘルスケアなど様々な分野で開発されている.しかしながら,既存手法には競争による心理的影響を考慮しきれていないという問題がある.そこで,本研究では心理的影響を考慮した競争情報を用いたモチベーション制御手法を提案する.本稿では,まず日常の運動モチベーション向上を対象とし,競争においてモチベーションに影響する要因である,努力量に対する競争結果,競争相手との成績差,競争参加人数の3点による心理的影響への配慮をシステム設計に内包させた競争システムを開発する.提案システムでは活動量計から得た歩数を基にして,モチベーションに良い効果を与えるように補正された競争結果がフィードバックされる.プロトタイプシステムを用いた評価実験では,合計82 名の6 週間にわたる3 種類の実験を通して提示情報による歩数への効果を測定し,提案手法の有効性を確認した.