著者
秋本 哲平 熊谷 隆宏 福田 守芳 古川園 健朗
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B3(海洋開発) (ISSN:21854688)
巻号頁・発行日
vol.73, no.2, pp.I_288-I_293, 2017 (Released:2017-08-22)
参考文献数
6

2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震とそれに伴って発生した津波により,福島第一原子力発電所は大きな被害を受け,高濃度の放射性物質を含む汚染水が漏洩した影響等により,港湾内海底土から放射性物質が検出された.放射性物質を含む海底土が巻き上がり,港湾外へ拡散することが懸念されたため,固化処理土による海底土被覆を行った.2012年度に第1期工事として72,600m2を被覆し,2014年度から第2期工事として,180,600m2を被覆した.第2期工事では,波浪条件が厳しい港口部を含んでいたことから,被覆土には早期強度が求められたため,砂質土を主材とする固化処理土を選定した.砂質土を主材とする固化処理土の課題であった水中打設時の材料分離は,特殊添加剤や打設治具を開発することで解決し,港湾内全域を被覆することができた.