著者
古市 孝義
出版者
大妻女子大学人間生活文化研究所
雑誌
人間生活文化研究 (ISSN:21871930)
巻号頁・発行日
vol.2019, no.29, pp.516-521, 2019-01-01 (Released:2020-01-24)
参考文献数
18

本研究では,高齢者福祉における介護の質の向上を目指した取り組みについて制度の側面から記録を通した質の向上に向けた考え方について研究を行った.本研究で検討した介護福祉士の質と,介護福祉士が残す記録との関係から,介護福祉士が残す記録によって質の向上を図ることができることが分かった.しかし,介護の質を評価するには,先に述べた評価手法や評価方法だけでは,現在の介護に即した評価ができているとは言い難く,さらに,介護の提供内容を正確に評価するといった手法も定まっていない.介護を受けている利用者にとってどのような介護に対して安心して自分の生活を任せることができるのか,現在行っている利用者満足度調査といった取り組みに加えて利用者に確認する仕組みを新たに検討作成していく必要があるといった示唆を得た.