著者
遠藤 邦彦 古橋 昭子
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌
巻号頁・発行日
vol.1990, no.6, pp.611-614, 1990
被引用文献数
3

cit,trans-亜硝酸午チルの<SUP>13</SUP>C同位体種 (<SUP>13</SUP>CH3CH2ONO, CH3<SUP>13</SUP>CH2ONO) のマイクロ波スペクトルを10から34GHzの領域で測定し,基底状態におけるa型R枝およびb型Q枝遷移を帰属して,つぎの回転定数を得た。<BR>A B C<BR><SUP>13</SUP>CH<SUB>3</SUB>CH<SUB>2</SUB>ONO 18018. 90 ± 0. 08 MHz 2931. 14 ± 0. 01 MHz 2604. 6 81 3 ± 0. 01 MHz<BR>CH<SUB>8</SUB><SUP>13</SUP>CH<SUB>2</SUB>ONO 17868. 37 ± 0. 10 MHz 3008. 28 ± 0. 01 MHz 2662. 09 ± 0. 01 MHz<BR>ノーマル種および上記の<SUP>13</SUP>C同位体種の回転定数の解析から,CiS,trans一亜硝酸エチルのC-C結合0距離としてr6(C-C)=1.517±0.004Åを決定した。ここに得られた亜硝酸エチルのC-C結合距離およびすでに報告されている類似分子のC-C結合距離は,エチル基に結合する原子の電気陰性度が大きくなるにしたがい結合距離は短くなる直線的な傾向がみられる。