著者
遠藤 邦彦 千葉 達朗 杉中 佑輔 須貝 俊彦 鈴木 毅彦 上杉 陽 石綿 しげ子 中山 俊雄 舟津 太郎 大里 重人 鈴木 正章 野口 真利江 佐藤 明夫 近藤 玲介 堀 伸三郎
出版者
日本第四紀学会
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.58, no.6, pp.353-375, 2019-12-01 (Released:2019-12-24)
参考文献数
77
被引用文献数
2

国土地理院の5m数値標高モデルを用いて作成された武蔵野台地の各種地形図により,武蔵野台地の地形区分を1m等高線の精度で行った.同時にデジタル化された多数のボーリングデータから各地形面を構成する地下構造を検討した.その結果得られた地形面は11面で,従来の区分とは異なるものとなった.既知のテフラ情報に基づいて地形発達を編むと,従来の酸素同位体比編年による枠組み(町田,2008など)と矛盾がない.すなわち古い方からMIS 7のK面(金子台・所沢台等),MIS 5.5のS面,MIS 5.3のNs面,MIS 5.2-5.1のM1a面,M1b面,MIS 5.1からMIS 4の間にM2a面,M2b面,M2c面,M2d面,MIS 4にM3面,MIS 3-2にTc面の11面が形成された.武蔵野台地は古期武蔵野扇状地(K面)の時代,S面,Ns面の海成~河成デルタの時代を挟み,M1~M3面の新期武蔵野扇状地の時代,およびTc面の立川扇状地の時代に大区分される.M1~M3面の新期武蔵野扇状地が7面に細分されるのは,M1面形成後の海水準の段階的低下に応答した多摩川の下刻の波及による.
著者
安井 真也 富樫 茂子 下村 泰裕 坂本 晋介 宮地 直道 遠藤 邦彦
出版者
特定非営利活動法人日本火山学会
雑誌
火山 (ISSN:04534360)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.43-59, 1998-04-30
被引用文献数
4

A large amount of pyroclastic materials (ca. 1.7 km^3) was erupted during the 1707 eruption of Fuji Volcano. Variety of lithic fragments has been recognized in the pyroclastic fall deposits, namely, accessory and accidental lava fragments, gabbros, and granitoids. A great variety of petrologic features is observed in gabbroic fragments consisting of olivine gabbro norite, gabbro norite, troctolite and anorthosite. The gabbros are divided into O, P and F groups on the basis of modal ratios of olivine, plagioclase and Fe-Ti oxide. O group mainly consists of plagioclase and olivine with minor amounts of pyroxenes and Fe-Ti oxide. O group is considered to have been adcumulated in the lower part of magma chamber because of their high depletion in incompatible elements, their well-sorted grain size and sedimentary structure. P group is composed of plagioclase, pyroxenes and minor amounts of olivine and Fe-Ti oxide. F group is similar to P group, but is enriched in Fe-Ti oxide. P and F groups are orthocumulates and may be solidified in the upper part and margin of magma chamber or dike because of their porphyritic texture. Such a variety of gabbros may correspond to the difference in location of the single gabbroic body beneath Fuji Volcano. The estimated source magma of the gabbros is similar to the basalt of Fuji Volcano in chemical and mineralogical compositions indicating that they are cognate origin. Chemical compositions of olivine and pyroxenes become magnesian and those of plagioclase become calcic with the decreasing of bulk-rock FeO^*/MgO ratio. It suggests that they are the products of continuous fractional crystallization. The magma of the 1707 eruption could have come up from under the gabbroic body, which was the solidified basaltic magma chamber, and have caught and brought the rocks from the gabbroic body up to the surface as cognate xenoliths during the eruption.
著者
遠藤 邦彦 阿部 晶子 津野田 聡子 柳 治雄 井佐原 均
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.165-178, 2005 (Released:2006-07-14)
参考文献数
25

音節を認知するときに, 子音と過渡部 (子音から母音への移行部, フォルマントの遷移部) が果たす役割を検討した。認知の手がかりが子音と過渡部, 子音のみ, 過渡部のみにある音を自然言語音から作成し, 失語症31例と健常者18名に語音認知検査を実施した。認知の手がかりとして, 子音は, 過渡部より強力であった。子音を削除した刺激では, 過渡部のフォルマントが手がかりとして有効であった。言語音の中には認知の手がかりが子音にある音と, 過渡部にもある音とがあった。構音点の解読には子音と過渡部の両方の情報が, 構音方法, および鼻音・非鼻音の解読には子音の情報が, 有声・無声の解読には子音または過渡部のどちらか一方の情報が必要であった。言語音の認知にもっとも大きな障害を生じたのは, 左縁上回下部の病巣であった。音声からの特徴抽出が, はじめに子音を, 次に過渡部をもとに二段階でなされると, 精密で高速な語音認知が可能と考えられた。
著者
杉中 佑輔 石綿 しげ子 鈴木 正章 堀 伸三郎 中山 俊雄 遠藤 邦彦
雑誌
日本地球惑星科学連合2018年大会
巻号頁・発行日
2018-03-14

武蔵野台地の地形については,貝塚(1964)をはじめ多くの研究があり,淀橋台に代表される下末吉面(S面),M1面,M2面,中台面に代表されるM3面に大きく区分されてきた.最近,遠藤ほか(2018)はこの区分を再検討し,もともとの扇状地面を小平面(M1a;植木・酒井,2007)とし,さらにM2面として仙川面,石神井面等を分け,さらにM3面として中台面以外に十条面等を設定した.この武蔵野台地は多摩川の作った扇状地であることが知られているが,武蔵野台地北東端に位置する赤羽台及び本郷台の一部は扇状地の先端部にしては極めて平坦で特異である.貝塚(1964)はこの特異性について,赤羽台及び本郷台は入間川か荒川のような南東に流れた河川の氾濫原ないし三角州ではないかと述べている.杉原ほか(1972)では赤羽台北西端崖周辺での露頭調査及びボーリング柱状図により,東京層の上面に起伏を持ち,関東ローム層と東京層の間に認められる礫を含む砂よりなる赤羽砂層の層厚に変化があることが報告されている.赤羽台及び本郷台を含む武蔵野台地北東部はM2面とされてきたが,国土地理院の5mDEMに基づき作成したRCMap(杉中ほか,本大会),さらに陰影起伏図等を用いた地形解析を行ったところ,従来の考え方とは異なる地形発達が想定されることが分かった.明らかになった地形面としては,本郷台の中にとり残された淀橋台相当の残丘(S面),神田川沿いに西から東に延びる扇状地面を発達させるM1面,石神井川沿いに西から東に延びるM2面(a,bに細分),赤羽台から上野につながるM2面,本郷台と赤羽~上野の狭い台地に挟まれたM3面,石神井川が谷田川に沿って流れていた時代の沖積面などである.平坦な地形で特徴づけられてきた赤羽台をRCMap等で微地形判読を行ったところ,蛇行する流路と微高地に分けられる(流路の面を十条面と呼ぶ).また,王子から不忍池の間では谷田川の低地の両岸に十条面を追跡することができ,根津や東大病院の建つ面と対比することができる.東大構内については阪口(1990)で検討がなされており,病院面はM2面とされていた本郷台よりも低い面で,M3面に相当するものと示唆されている.この十条面を横断するように赤羽台の地質断面図を多数作成し、検討を行ったところ,十条面を挟む微高地を成すM2面構成層とは不連続な谷地形であることがわかった.この十条面は比較的薄いローム層で覆われ,礫層・礫混じり砂層を主体に構成される.さらに王子から不忍池にかけても同様に検討を行ったところ,同様に谷地形が確認された.このように赤羽~王子~根津を結ぶ谷はMIS4と考えられてきたM3面の化石谷であるといえる.この谷を秋葉原方面へ沖積低地地下に追うと,総武線付近で-5m前後に谷地形と礫層が確認される.この谷地形は東京層を穿つもので薄い礫層を伴い,その上部は縄文海進時の波食の効果で削られている.この化石谷は幅300m程度と狭く,荒川が流下したというより入間川規模の河川の流下が考えやすい.しかしながら、上流部は縄文海進時などにおいて侵食されてしまっている.参考文献遠藤邦彦・石綿しげ子・堀伸三郎・中山俊雄・須貝俊彦・鈴木毅彦・上杉陽・ 杉中佑輔・大里重人・野口真利江・近藤玲介・竹村貴人(2018本大会)東京台地部の東京層と,関連する地形:ボーリング資料に基づく再検討.貝塚爽平(1964)東京の自然史.紀伊国屋書店阪口豊(1990)東京大学の土台―本郷キャンパスの地形と地質.東京大学史紀要,第8号,1-34杉原重夫・高原勇夫・細野衛(1972)武蔵野台地における関東ローム層と地形面区分についての諸問 題.第四紀研究,11,29-39杉中佑輔・堀伸三郎・野口真利江・石綿しげ子・遠藤邦彦(2018本大会)レインボーコンターマップ (RCMap)による地形解析とその応用.植木岳雪・酒井 彰(2007)青梅地域の地質.地域地質研究報告(5 万分の 1 地質図幅),産総研地質調 査総合センター
著者
菅 香世子 小林 勝己 印牧 もとこ 宮原 智哉 遠藤 邦彦
出版者
特定非営利活動法人 日本火山学会
雑誌
火山 (ISSN:04534360)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.71-83, 1992
参考文献数
21
被引用文献数
4

Kozushima consists of rhyolitic monogenetic volcanoes (lava domes and thick lava flows), and is located on Zenisu Ridge, northern part of Izu-Bonin Arc. Activities of the momogenetic volcanoes were accompanied with pyroclastic flows and surges. But their succession and stratigraphy are not well known. We tried to discuss them based on observation in construction field of Kozushima Airport and its neighborhood in southern part of the island. Three pyroclastic surge deposits were confirmed on thick lava flow which was fomed tens of thousands years ago. They are, Chichibuyama pyroclastic-surge deposit-B which was older than 22,000 y.B.P., Chichibuyama pyroclaslic-surge deposit-A which erupted 21,000-19,000y.B.P. and Tenjosan pyroclastic-surge deposit which was fomed 838 A.D. in ascending order. Two regional ash-fall deposits which originated from gigantic eruptions in Southern Kyushu and several ash-fall deposits from another islands were interbeded with them. Thus, only three pyroclastic surge deposits have come to deposit in southern part of Kozushima while tens of thousands years. It does not mean that only three eruptions occurred in Kozushima the while, but suggests that most eruptions could not bring pyroclasic materials on the thick lava flow whose height is 100-300 m in southern part of Kozushima except above mentioned three eruptions. Most pyroclastic flows and surges were strongly controled by topography in Kozushima, but some were not. That might be caused by the difference of eruption energy or eruption types.
著者
遠藤 邦彦 古橋 昭子
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌
巻号頁・発行日
vol.1990, no.6, pp.611-614, 1990
被引用文献数
3

cit,trans-亜硝酸午チルの<SUP>13</SUP>C同位体種 (<SUP>13</SUP>CH3CH2ONO, CH3<SUP>13</SUP>CH2ONO) のマイクロ波スペクトルを10から34GHzの領域で測定し,基底状態におけるa型R枝およびb型Q枝遷移を帰属して,つぎの回転定数を得た。<BR>A B C<BR><SUP>13</SUP>CH<SUB>3</SUB>CH<SUB>2</SUB>ONO 18018. 90 ± 0. 08 MHz 2931. 14 ± 0. 01 MHz 2604. 6 81 3 ± 0. 01 MHz<BR>CH<SUB>8</SUB><SUP>13</SUP>CH<SUB>2</SUB>ONO 17868. 37 ± 0. 10 MHz 3008. 28 ± 0. 01 MHz 2662. 09 ± 0. 01 MHz<BR>ノーマル種および上記の<SUP>13</SUP>C同位体種の回転定数の解析から,CiS,trans一亜硝酸エチルのC-C結合0距離としてr6(C-C)=1.517±0.004Åを決定した。ここに得られた亜硝酸エチルのC-C結合距離およびすでに報告されている類似分子のC-C結合距離は,エチル基に結合する原子の電気陰性度が大きくなるにしたがい結合距離は短くなる直線的な傾向がみられる。
著者
遠藤 邦彦 石綿 しげ子 堀 伸三郎 上杉 陽 杉中 佑輔 須貝 俊彦 鈴木 毅彦 中山 俊雄 大里 重人 野口 真利江 近藤 玲介 竹村 貴人
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2018年大会
巻号頁・発行日
2018-03-14

近年誰でも使うことができる地下データ(=ボーリング柱状図)が多数公開されるようになった.そのデータの密度は数年前とは比較にならない.またそれらを解析するツールも整っている.本研究は,東京23区内を中心に数万本余のボーリングデータを活用しつつ,その上に多くの地形・地質データなどアナログのデータを重ね合わせ,従来の点の情報を線,面に発展させることを目指す.地形の解析についても,国土地理院の5mのDEMを活用してQ-GISによって解析し,1mコンターのレベルで地形区分を見直した.こうした様々な情報を総合して,主に東京の台地部の中・後期更新世以降の地下構造を解明し,従来の諸知見(貝塚,1964;植木・酒井,2007ほか)を発展させることを目的とする.ボーリング資料の解析は,一定の深度を持つボーリング地点が集中する主要道路路線沿いに検討を進めた.環状路線:環八(笹目通り)・中杉通りと延長・環七・環六(山手通り)・環五(明治通り)・不忍通り、王子-中野通り,外苑西・東通り.放射状路線:桜田通り・目黒通り・首都高3号線(玉川通り)・青梅街道・新青梅街道・甲州街道(晴海通り)・川越街道・春日通り17号・小田急線-千代田線・世田谷通り・舎人ライナー・新幹線・ほかの合計30路線余について断面図を作成した.さらに,東京港地区(オールコア検討地区),中央区-港区沿岸低地,多摩川河口-羽田周辺,板橋区北部,赤羽台地~上野-本郷に伏在する化石谷などは短い多数の断面図を作成して,詳細な検討を加えた.以上の検討から見えてくるものは以下の通りである.遠藤(2017)は東京の台地部の従来の武蔵野面の範囲に,淀橋台と同様の残丘が存在するため、板橋区南部に大山面の存在を提唱した.その後の検討では大山面以外にも同様の残丘が和光市(加藤,1993)など各所に存在する.東京層は淀橋台や荏原台をはじめとし上記残丘のS面全域と,武蔵野扇状地面(M1,M2,M3面) の地下全域に存在し,基底部に東京礫層を持ちN値4~10程度の海成泥層が卓越する谷埋め状の下部層と,海成砂層を主体に泥質部を挟む上部層からなり,その中間付近に中間礫層を持つ.中間礫層は北部ほど発達がよい.さらに,埋積谷の周辺では広い波食面を形成し,貝殻混じりの砂礫層が波食面を覆うことが少なくない.基底礫と波食礫では年代を異にすると考えられるが,谷底か波食面上かに関わらず便宜的に基底部に存在する礫・砂礫層を東京礫層と呼ぶ.東京層はMIS6からMIS5.5に至るものと考えている.また,沿岸部の築地一帯~皇居・六本木周辺には東京層の1つ前のサイクルの築地層が高まりをなしており,東京層の谷はこれを挟んで、北側(神田~春日)と南側(品川~大井町)に分かれる.これらはほぼ現在の神田川の谷や目黒川の谷に沿う傾向がある.なお,大山面の地下に伏在する埋積谷は池袋付近から北に向かい,荒川低地付近では-20m以下となる.荏原台など,東京の南部では上総層群の泥岩が東京礫層の直下にみられることが多い.礫層は薄くなる傾向がある.東京最南部の東京層に相当する世田谷層(東京都,1999;村田ほか,2007)の谷は多摩川の低地に続く.東京層の泥層の分布はMIS5.5の時代にどこまで海進が達したかの参考になる.甲州街道沿いでは桜上水~八幡山あたりで武蔵野礫層によって切られて不明となる.青梅街道沿いでは荻窪のやや東方で武蔵野礫層によって切られているが,ともに旧汀線に近いものと予想できる.淀橋台相当面やその残丘の分布は,武蔵野扇状地の発達過程で重要な役割を果たしてきた.武蔵野扇状地の本体をなすM1a(小平)面(岡ほか,1971;植木・酒井,2007)は淀橋台と大山残丘群の間を抜けて東に向かった.目黒台(M1b面)は以前から指摘されている通り,淀橋台と荏原台の間を通り抜けた.現在の石神井川に沿ってM1a面の北側に分布するM2a(石神井)面は大山面と,赤塚~成増~和光付近の残丘群の間をぬけて東に流れた.M1a面の南側に分布するM2a(仙川)面は荏原台と田園調布台の間を通りぬけ流下した.北側の黒目川沿いのM2c, d面は,赤塚~成増~和光の残丘群を避けるように北向きに流れた.さらにM3面が多摩川下流部や赤羽台付近に形成された.M2,M3面は海水準の低下に応答したものと思われる.引用文献:貝塚(1964)東京の自然史.;植木・酒井(2007)青梅図幅;遠藤(2017)日本の沖積層:改訂版,冨山房インターナショナル;加藤(1993)関東の四紀18;東京都(1999)大深度地下地盤図;村田ほか(2007)地学雑誌,116;岡・ほか(1971)地質ニュース,206
著者
遠藤邦彦
雑誌
URBAN KUBOTA
巻号頁・発行日
vol.21, pp.26-43, 1983
被引用文献数
2
著者
遠藤 邦彦
出版者
日本失語症学会 (現 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会)
雑誌
失語症研究 (ISSN:02859513)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.238-245, 1996 (Released:2006-05-24)
参考文献数
5

感覚失語19例の症状を分析した結果,以下の群に分けられた。(1) 復唱障害I型 : 復唱障害を特徴とし,聴理解は障害が軽くなる。呼称障害は急速に改善。共通病変は左横側頭回から聴放線。(2) 復唱障害 II型 : 復唱障害,聴理解の障害,呼称障害が著しい。字性錯語と新造語が出現。共通病変は左上側頭回後部。(3) 意味理解障害型 : 復唱できても聴理解ができない。語性錯語と新造語が出現。共通病変は左上側頭回前部と中側頭回。(4) 混合型もしくは重症型 : 復唱障害 II型と意味理解障害型の特徴を併せ持つ。共通病変は左上側頭回と中側頭回にまたがる。(5) 不全型 : 症状が軽く復唱障害型か意味理解障害型かはっきりしない。(6) 超皮質性感覚失語 : 復唱が他の言語機能と比較してきわめて良好。反響言語が出現。    感覚失語の言語訓練は,言語情報処理機構の損傷箇所によって異なり,(1)(2) では語音の弁別,認知,把持,(3)(6) では語義理解,(4) では語音,次に語義の認知の訓練が必要である。
著者
安井 真也 富樫 茂子 下村 泰裕 坂本 晋介 宮地 直道 遠藤 邦彦
出版者
特定非営利活動法人 日本火山学会
雑誌
火山 (ISSN:04534360)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.43-59, 1998-04-30 (Released:2017-03-20)
参考文献数
22

A large amount of pyroclastic materials (ca. 1.7 km3) was erupted during the 1707 eruption of Fuji Volcano. Variety of lithic fragments has been recognized in the pyroclastic fall deposits, namely, accessory and accidental lava fragments, gabbros, and granitoids. A great variety of petrologic features is observed in gabbroic fragments consisting of olivine gabbro norite, gabbro norite, troctolite and anorthosite. The gabbros are divided into O, P and F groups on the basis of modal ratios of olivine, plagioclase and Fe-Ti oxide. O group mainly consists of plagioclase and olivine with minor amounts of pyroxenes and Fe-Ti oxide. O group is considered to have been adcumulated in the lower part of magma chamber because of their high depletion in incompatible elements, their well-sorted grain size and sedimentary structure. P group is composed of plagioclase, pyroxenes and minor amounts of olivine and Fe-Ti oxide. F group is similar to P group, but is enriched in Fe-Ti oxide. P and F groups are orthocumulates and may be solidified in the upper part and margin of magma chamber or dike because of their porphyritic texture. Such a variety of gabbros may correspond to the difference in location of the single gabbroic body beneath Fuji Volcano. The estimated source magma of the gabbros is similar to the basalt of Fuji Volcano in chemical and mineralogical compositions indicating that they are cognate origin. Chemical compositions of olivine and pyroxenes become magnesian and those of plagioclase become calcic with the decreasing of bulk-rock FeO*/MgO ratio. It suggests that they are the products of continuous fractional crystallization. The magma of the 1707 eruption could have come up from under the gabbroic body, which was the solidified basaltic magma chamber, and have caught and brought the rocks from the gabbroic body up to the surface as cognate xenoliths during the eruption.
著者
小田 正秀 大角 直行 中林 邦子 宮城 昌治 森本 進 坂木 慎司 有馬 隆 今田 愛子 遠藤 邦彦 土江 健也 森本 克廣 小松 昭紀
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.49, no.7, pp.694-705, 2002-07-15
参考文献数
34
被引用文献数
2

<b>目的</b> 高校生の喫煙の実態を把握するとともに,歯科医師による喫煙防止教育の効果を検討することを目的とした。<br/><b>方法</b> 広島市内の某男子校の高校生1,003名を対象とした。歯科医師による喫煙防止教育講演の前後に無記名による自記式アンケート調査を行った。また,歯科医師による歯科健康診査を別途行った。<br/><b>成績</b> 喫煙経験者率,喫煙者率ともに,高学年ほど高い値を示した。<br/> クラブ活動をしていない群では学年が上がると喫煙者率が増加した。<br/> 喫煙が及ぼす健康影響についての知識では,肺がんが最も多く,歯周病がそれに次いで多かった。<br/> 歯科医師による喫煙防止教育講演前後で行ったアンケート調査成績から,「家族がたばこを吸っているのを見てやめた方がいい」と答えた生徒は講演前の55.9%から講演後の62.2%と6.3ポイントの増加がみられた。<br/> 教育講演で印象に残った内容では,がんの写真,歯への影響の話,バージャー病があげられた。<br/><b>結論</b> 高校生に喫煙防止教育を行う場合には,がんの写真,バージャー病の写真と歯への影響の話が印象的であると考えられ,歯科医師による教育の必要性が認められた。
著者
藤根 久 遠藤 邦彦 鈴木 正章 吉本 充宏 鈴木 茂 中村 賢太郎 伊藤 茂 山形 秀樹 Lomtatidze Zaur 横田 彰宏 千葉 達朗 小杉 康
出版者
日本第四紀学会
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.55, no.6, pp.253-270, 2016-12-01 (Released:2017-01-12)
参考文献数
46
被引用文献数
3

有珠火山の南麓には善光寺岩屑なだれ堆積物(Zd)が多数の流れ山をなして分布する.Zdは従来,9kaから6kaに発生した有珠山外輪山の崩壊によるとされてきた.海岸の近くの岩屑なだれの流れ山に囲まれた標高約4.5mの低地においてボーリングコアを2本採取し,その層序,年代,堆積環境,植生変遷を検討した.両コアはほぼ岩相が同様で,標高+2~-6mにわたり連続的に泥炭層および有機質シルト・粘土層が見られた.AMS法による14C年代測定の結果,最下部の有機質シルト・粘土層から20calkaBP頃の年代が得られた.泥炭層下部には15calkaBP頃に濁川カルデラから飛来した濁川テフラ(Ng)が,泥炭層中部には駒ヶ岳から6.6calkaBPに飛来した駒ヶ岳gテフラ(Ko-g)が,同上部には白頭山苫小牧火山灰(B-Tm)などのテフラが認められた.コアの基底には洞爺火砕流堆積物(Toya(pfl))と同質の軽石に富む軽石質火山灰層が捉えられた.珪藻化石は,20~10calkaBPに湖沼~沼沢湿地が継続し,10calkaBP頃に沼沢湿地に移行し,以後0.4calkaBPまで継続したことを示し,先行研究で明らかにされている最終氷期から完新世にかけての北海道の植生変遷と矛盾しない.花粉化石は,20~15calkaBPに亜寒帯性針葉樹林が卓越し,15calkaBP頃からカバノキ属が増大する移行期を挟み,10calkaBP頃に温帯落葉広葉樹林へと推移したことを示した.以上から,2本のコアの泥炭層および有機質シルト・粘土層は,Zdの岩屑なだれで閉塞された凹地に形成された湖沼~沼沢湿地の堆積物で,岩屑なだれの発生は20calkaBPのLGM(最終氷期最寒冷期)の頃である可能性が極めて強い.また,有珠外輪山の活動は20calkaBPより以前に始まって山体を形成していたことになる.
著者
遠藤 邦彦
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.968, pp.133-136, 1998-11-30

10月27日をもって私は東急観光の社長を辞任し、相談役に退きました。後任の社長には野溝憲彦副社長(当時)が昇格しました。 野溝君は今年3月に親会社の東京急行電鉄から社長含みで来ており、私の後任に就くことは既定の路線でした。
著者
閻 順 穆 桂金 Xiu Yingqing ZHAO Zhenghong 遠藤 邦彦
出版者
Japan Association for Quaternary Research
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.235-248, 1997-10-31
被引用文献数
2 4

タリム盆地の東端に位置するロプヌール低地において,K1ボーリング・コアを採取し,主として花粉分析に基づいて当地域の第四紀環境変化を明らかにした.約100mのコアは,前期更新世以来のおもに泥質堆積物からなり,深度66.2mに前期および中期更新世を分ける不整合が存在する.前期更新世のこの地域は森林-草原の環境下にあったが,中期更新世以後,砂漠-草原と砂漠環境が繰り返す環境に置き代わった.湖沼の発達はおそらく更新世初期の頃まで遡るものと考えられる.トウヒ属花粉および総樹木花粉数が前期更新世に高い出現率を示すことは,当時ロプヌール地域は比較的湿潤で,近くに森林が存在していたことを示唆する.乾燥環境は中期更新世のはじめ頃に始まり,完新世にはきわめて乾燥した条件が支配的となった.
著者
大野 希一 国方 まり 鈴木 正章 西村 裕一 長井 大輔 遠藤 邦彦 千葉 達朗 諸星 真帆
出版者
特定非営利活動法人日本火山学会
雑誌
火山 (ISSN:04534360)
巻号頁・発行日
vol.47, no.5, pp.619-643, 2002-11-29
被引用文献数
4

The volcanic activities of the Usu 2000 eruption were monitored and reported by many scientists and the mass media. Summarizing these observation results, most of relatively large explosion events occurred during March 31 to April 7, 2000. Around the Nishiyama and Kompira crater groups, the pyroclastic deposits with multi units can be divided into 19 layers on the basis of their visible color, grain size and sedimentary structure; from Layer A to Layer S in ascending order. The eruptive dates of each layer inferred from the wind directions, the eruptive sequence, and the distribution of deposits are summarized as follows; the Layer A, characterized as the light gray color ash fall deposit including in some pumice layers, was generated by March 31 phreatomagmatic explosions occurred at Nishiyama crater group. The Layer B, composed poorly sorted breccia and ash layer with gray color, was generated on March 31 p.m. at Nishiyama craters. The Layer C to the Layer G, dark brown-gray aggregate ash, were derived from the volcanic eruptions occurred on April 1 to 2 in Nishiyama and Kompira crater group. The Layer H to Layer M and Layer O, mainly consist with gray and reddish brown aggregate ash including in lithic fragments, were generated during April 3 and 4 in Kompira crater group. The Layer N, which distributes around N19 crater, generated on April 4. The Layer P, massive ash with gray color, was generated on April 6 in Kompira crater group. After April 7, the Layer S, characterized as light brown aggregate ash, has been generated from the recent minor activities around limited craters. The amount of Layer A fallen in the range from the source to Toyako Onsencho Town is estimated at 1.2×10^8 kg, and total amount of Layer A including in the distal area is 2.4×10^8 kg. On the other hand, amount of other deposits generated during April 1 to 6 (e.g. Layer B, N, and Q) is an order of 10^6-10^7 kg. Total amount of the pyroclastic deposits erupted from the Usu 2000 eruption is more than 6.4×10^8 kg.
著者
遠藤 邦彦
出版者
日本コミュニケーション障害学会
雑誌
聴能言語学研究 (ISSN:09128204)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.66-78, 1993-04-30 (Released:2009-11-18)
参考文献数
27
被引用文献数
1

左頭頂葉急性硬膜外血腫除去術後,複数の感覚系にまたがる感覚限局性失語を生じた1症例,および左被殻出血吸引術後,失語症と意味記憶障害を生じた1症例をもとに,物品呼称の神経機構を検討した.感覚連合野で分析された物品の形態,素材等の情報が下側頭回の意味記憶と照合され,それが何であるか認知され,意味記憶からの情報は語彙系を通して音韻像に変換され,左上側頭回に音韻像が把持され,その音を構音するための運動記憶が左下頭頂小葉から呼び出され,それに照らし合わせて左運動皮質が構音器官に指令を送ると考えられる.この情報処理過程の損傷部位に対応して物品の失認(感覚連合野と意味記憶系の離断),感覚限局性失語(認知系と言語系の離断),意味記憶障害(意味記憶自体の損傷),失語症(語彙・音韻系の障害)による呼称障害を生じると考えられた.これらの病態は病巣の広がりに対応して合併して生じうる.
著者
遠藤 邦彦 宮地 直道 高橋 正樹 山川 修治 中山 裕則 大野 希一
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

火山防災上,防災担当者や住民にとって真に役立つ活動的火山の次世代型ハザードマップの構築を目指し,7項目の目標に対してそれぞれ以下の成果を得た.主に富士山,比較で浅間山,箱根山を対象とした.1.漏れのない噴火履歴の解明:重点的な現地調査により,データの充実化を進めた.2.噴火発生確率のより正確な見積りとデータベース:噴火発生娘串の重要判断材料である富士山の階段ダイアグラムを新しいデータに基づいて改定した.また,データベースを充実させた.3.噴火のさまざまな癖:火口の位置やタイプ,火砕流の発生など,新資料を得た.4.発生確率は低いが影響の大きなイベント:富士山の代表事例として御殿場岩屑なだれ,滝沢火砕流を詳細に解明した.5.多様な噴火シナリオから災害リスクの検討へ:爆発的噴火のタイプ,溶岩流出のタイプの典型として宝永噴火,貞観噴火の詳細な検討を行い,前者について災害リスタの検討を進めた.6.大気や地表の熱情報から:富士山監視カメラシステムを継続的に運用し,雲や降雪状況の変化をホームページに公開した.地表面温度分布の分析成果を公表した.以上のa-fについてその成果を単行本「富士山のなぞを探る」として公表した.7.役に立つハザードマップヘ:噴火が近づき,あるいは始まった時に機器観測,監視カメラ,目視情報をはじめ,大気情報や地表の熱などを含め,多様な情報がリアルタイムに捉えられ,またハザードマップ上に迅速に示されるGISを利用したシステムを,防災担当者および研究者間で運用するDGI-RTSシステムとして構築し,一部を「富士山観測プロジェクト」としてウエブページに公開した[http://www.geo.chs.nihon-u.ac.jp/quart/fuji-p/].これは公開済みの「富士山監視ネットワーク」と,さまざまな災害情報に関する「自然災害と環境間題」のページにリンクしている,