著者
武田 富美子 古賀 徳子
出版者
沖縄国際大学
雑誌
沖縄国際大学人間福祉研究 (ISSN:13483463)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.115-124, 2005-09-01
被引用文献数
1

筆者の一人は、教職総合演習において、環境問題をテーマに「学びの即興劇」を実践してきた。それを中学・高校で活用するために他のテーマに応用したいと考え、同教科に参加型学習を取り入れているもう一人の筆者に合同演習を呼びかけた。彼女は、「平和の文化」を身につける方法として「学びの即興劇」に関心を持ち、合同演習が実現した。そのねらいを「教師となった時におこるであろう問題を、即興劇を通して擬似的に体験することで、自分なりの考えをもつきっかけとすること」とし、「いじめ」「非行」「不登校」「学級崩壊」を劇の題材にした。学生たちは想像力を働かせ、登場人物の思いを言葉にし、とまどいや苛立ち、怒りを身体で表現した。教育の諸問題を解決するために、教師が生徒や親の視点をもつことは重要であり、「学びの即興劇」はその有効な手段のひとつと考えられた。また、問題を平和的に解決するための学習として効果的であった。